「かもめのジョナサン」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
Goodfiering369 (会話 | 投稿記録) 編集の要約なし |
m 外部リンクの修正 (ci.nii.ac.jp) (Botによる編集) |
||
(23人の利用者による、間の31版が非表示) | |||
1行目:
[[File:Jonathan Livingston Seagull.jpg|thumb|right|200px|]]
『'''かもめのジョナサン'''』(''Jonathan Livingston Seagull'')は、[[リチャード・バック]]による[[小説]]。[[寓話]]的作品。[[1970年]]に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で出版され、最初は当時のアメリカの[[ヒッピー]]文化とあいまって[[口コミ]]で徐々に広がり、1972年6月以降に大ヒットした。1970年の初版の英語タイトルは「Jonathan Livingston Seagull — a story.」。{{仮リンク|ラッセル・マンソン|en|Russell Munson}}によるカモメの写真が随所に挿入されている。全3部構成で出版されていた<ref name="asahi_digital" />。
日本では[[1974年]]
キリスト教の異端的潮流[[ニューソート]]の思想が反映されていると指摘されており<ref name="バロソ"/>、[[禅]]の影響を
2012年8月、作者は小型飛行機の操縦中に墜落事故をおこし重傷を負った<ref> https://www.cnn.co.jp/usa/35021229.html</ref>。その際いろいろ想う所があったらしく、元々全4部の作品として書いていたが第4部を封印して世に出していたのだ、と語り<ref name="asahi_digital" />、2014年2月、44年前に封印していたという幻の第4部を含めた「完全版」を[[電子書籍]]形式で発表した。日本ではこれを「かもめのジョナサン完成版」と題し、同年7月に<ref>紙の本の発行年月日は「2014年6月30日」。</ref>紙の書籍で発売された。出版社/第4章の訳者は従来と同じく新潮社/五木寛之。(ただし「完成版」では五木訳は“ 創訳 ”として記載されている。)
== あらすじ ==
;第
主人公の[[カモメ]]
;第
「目覚めたカモメたち」の世界
そしてある時ジョナサンは自由を求めて弟子たちからも離れ、それから数年の歳月が流れた。若いカモメたちの間ではジョナサンは「伝説のカモメ」として神格化され、ジョナサンの言葉、仕草、目は何色だったかなど、些細なことを知りたがり崇めるようになるが、一方で直接ジョナサンから学んだ弟子たちは、そのようなことに夢中になってジョナサンの教えの神髄たる「真に飛ぶことを求める」訓練や努力をおろそかにする若いカモメたちに懐疑的になる。そしてジョナサンの弟子たちもいなくなると全ては形骸化した儀式と化し、儀式とその解釈に多くの時間を費やすようになり、飛行技術の追求は完全に忘れ去られていく。若いカモメのアンソニーはそんな風潮に対して「あの偉大なジョナサンはずっと昔にだれかがでっちあげた神話にすぎない」と嘆く。そして深い疎外感や悲しみに囚われたアンソニーが投身自殺を図った時、彼の前に現れたのは…。
{{節スタブ}}
== 映画化 ==
{{Main|かもめのジョナサン (映画)}}
[[1973年]]に[[ホール・バートレット]]監督によって映画化された。原作同様に人間は登場せず、バードトレーナー
[[Image:Jonathan Livingston Seagull figure.jpg|thumb|300px|right|餌をとるためにしか飛ばないカモメの群れと、純粋に飛ぶことを追
== 宗教的解釈 ==
[[尚美学園大学]]のイザベル・バロソは、キリスト教の異端的潮流[[ニューソート]]の思想が反映されていると評している<ref name="バロソ">イザベル・バロソ「[https://cir.nii.ac.jp/crid/1050001338458006016 神話理論の新定義に向けて Towards a New Definition of Myth]」 尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University 19, 81-95, 2010-09-30, 尚美学園大学総合政策学部</ref>。禅の影響を感じるという声もある<ref name="asahi_digital" />。
物語後半からは、ジョナサンが思いもよらない非凡な訓練によって通常カモメの飛行能力を遥かに超えた能力を身に付けていくが、それらはすでに物理飛行の次元を超えていく。さらには岩盤に激突したカモメを生き返らせる場面も登場するなど日常世界から遠くかけ離れた境地の世界が描かれている。<ref>ジョナサンが下界に戻るところなどは[[禅]]の[[十牛図]]の影響を受けているものと解釈する者もいる{{要出典|date=2013年3月}}。</ref>▼
▲物語後半から
==社会的影響==▼
訳者の五木寛之は、追加された第4章を読んで[[法然]]を連想したという。
またパロディとして『[[にわとりのジョナサン]]』(ワインスタイン&アルブレヒト)が書かれた。こちらは五木に対抗して[[青島幸男]]が翻訳し、それなりに売れた。▼
▲== 社会的影響 ==
▲*米国ではThomas Meehanによる"Marvin Stanley Pigeon"というタイトルの[[パロディ]]作品が登場した。またパロディとしてソル・ワインスタインとハワード・アルブレヒトによる『[[にわとりのジョナサン]]』(
:問・カモメが百羽います。一羽はカモメのジョナサン、では残りは?▼
*日本では[[1975年]]頃に以下のような[[なぞなぞ]]が流行した(当時の日本では、このようなバカバカしいクイズが大ブームとなり、「[[ナンセンス・クイズ]]」と呼称された)。
{{Quotation|
<ref>便乗して、1975年5月、放送作家の[[奥山コーシン|奥山侊伸]]がこのなぞなぞの回答「かもめのミナサン」そのままタイトルにしたエッセイ集を[[学研ホールディングス|立風書房]]から出版した。</ref>▼
:答:カモメのみなさん。<ref>「なぞなぞブーム」『[[世界大百科事典|世界大百科年鑑]] 1975』[[平凡社]]、1975年、79頁。</ref>}}
▲
*同時期にヒットした映画「[[トラック野郎]]」シリーズにも、主人公の相棒として本作をもじった「やもめのジョナサン」というキャラクター(演じているのは[[愛川欽也]])が登場した。なお、同タイトルながらまったく関係のない短編漫画「やもめのジョナサン」が、[[赤塚不二夫]]の『ギャグゲリラ』にも収録されている。▼
*[[村井秀夫]]は「かもめのジョナサン」の心境になったといってオウム真理教に入信した。▼
*[[手塚治虫]]の漫画「[[鳥人大系]]」には、この小説のパロディと思われる「カモメのジョンガラサン」というエピソードがある。これも他の多くのカモメたちから離れて自分の生き方を貫いた孤高のカモメの物語である。
*[[ABBA]]の曲「[[イーグル]]」(Eagle)は、この小説にインスパイアされて作成された。彼らの曲としては異色の、まるで[[交響曲]]のような壮大さを持つ曲である。
*[[栃木県]][[小山市]]にある[[白鷗大学]]の校名の由来となった<ref>[http://hakuoh.jp/about/about_05.html 白鴎の由来]</ref>。
== 日本語訳 ==▼
▲同時期にヒットした映画「[[トラック野郎]]」シリーズにも、主人公の相棒として本作をもじった「やもめのジョナサン」というキャラクター(演じているのは[[愛川欽也]])が登場した。なお、同タイトルながらまったく関係のない短編漫画「やもめのジョナサン」が、[[赤塚不二夫]]の『ギャグゲリラ』にも収録されている。
* [[五木寛之]]訳。新潮社、1974年、完成版2014年。新潮文庫、1981年、改版2015年。下訳は[[國重純二]]
*『かもめのジョナサン写真集』写真: ホール・バートレット サン企画 1975年▼
▲[[村井秀夫]]は「かもめのジョナサン」の心境になったといってオウム真理教に入信した。
▲==日本語訳==
▲*『かもめのジョナサン写真集』写真: ホール・バートレット サン企画 1975年
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<div class="references-small"><references /></div>
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:かもめのしよなさん}}
[[Category:アメリカ合衆国の小説]]
[[Category:
[[Category:動物文学]]
[[Category:鳥を主人公にした物語]]
[[Category:鳥を題材とした小説]]
[[Category:カモメを題材とした作品]]
[[Category:自己啓発書]]
[[Category:スピリチュアリティに関する文書]]
[[Category:ニューソート]]
{{lit-stub}}
|