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{{出典の明記|date=2013年7月4日 (木) 21:22 (UTC)}}
[[File:Blue Box 2.jpg|thumb|手錠と鍵穴を塞ぎ拘束を強化するための{{ill2|ハンドカフ・カバー|en|Handcuff cover}}]]
[[ファイル:手錠.jpg|サムネイル|手錠(日本警察)]]
[[File:Person handcuffed behind back.jpg|thumb|手錠が使用された状況]]
[[File:Prisoner in transport restraints.jpg|thumb|移送用の腰を縛る{{ill2|ベリーチェイン|en|Belly chain (restraint)}}と手錠]]
[[File:CuffKey.jpg|thumb|Universal handcuff key。移送などの手間などの観点から手錠の鍵は共通である。]]
[[File:USMC-080621-M-4675V-004.jpg|thumb|プラスチック製の[[結束バンド]]を用いた{{ill2|プラスティック・ハンドカフ|en|Plastic handcuffs}}]]
[[File:Aa tattonpark2010 handcuffs.jpg|thumb|手錠の展示]]
'''手錠'''(てじょう、{{Lang-en|hand cuff}})とは、手を自己または他人が物理的に動きにくくする器具である。一般的には[[司法警察職員]]が[[被疑者]]を[[逮捕]]、[[拘束]]する時、また、保護しようとした精神錯乱者・酩酊者(泥酔者を含む)が暴れるなどして自己または他人の生命、身体または財産に危害を及ぼす事態において危険な場合などに用いる。
 
== 性質 ==
手錠は被拘束者の手の自由を不完全に奪うことができる。ただし下半身にはあまり制約が加えられないため、身体的には逃走は可能であり、衣類のボタンの掛け外しなどは支障なく行える。ただし腕を大きく振れないため、走ることには制約がつきまとい、バランスを取るのは難しい。その上開錠や破壊をせずに外すことはほぼ不可能なため、逃走した場合の被拘束者を示す格好の目印になる。また、こうしたことから、手錠や[[江戸時代]]の[[手鎖]]は、行動や表現の自由を形として奪うものという性格が指摘できる。ただし、現代日本において、連行用の手錠には捕縄(腰縄)が付けられており、手錠をはめると同時に捕縄で両手を腰部にくくりつけられるという形態であるため、より行動が制限される。「[[警察24時]]」でもPRのため、逮捕時に被疑者に手錠をかける様子を必ず収録させるが、その際に捕縄も手錠とともに装着させられることがある。
 
同種の拘束具に、両手の親指にはめて腕の自由を制限する指錠、足首にはめて逃走を防止する足錠というものもある(歩幅が大きく広がらないよう鎖で制限されているため、早く歩くのも困難)。
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使われている手錠も警官が普段装備している物や連行に使われる物、法務省が使う金色の物など様々な種類がある。連行に使われる手錠は三連鎖で、真ん中の鎖の径が捕縄をつけるように大きくなっている。
 
日本におけるニュース映像などでは[[1990年代]]頃から、被疑者に掛けられた手錠を極力映さないようにし、映った場合もその部分には[[モザイク処理]]などで隠されている。これは、[[ロス疑惑]]において[[三浦和義]]が「''有罪が確定していない、[[推定無罪]]の被疑者を晒し者にする''」として訴訟を起こしたことがきっかけとなった。
 
映画などでは民間人や非番の警察官が旅客機の[[ハイジャック]]に遭遇して犯人を拘束する場合、手錠の代用として[[ビニールテープ]]や[[ガムテープ]]を何重にも巻きつける場面が見られることがある。
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== 材質と構造 ==
通常は金属製だが、'''フレックスカフ'''と呼ばれる樹脂製のものもある。これはかつては電工用のケーブルタイ[[結束バンド]]と同種のものであったが、現在では専用の樹脂手錠が作られている<ref>製品例:[http://www.safariland.com/DutyGear/product.aspx?pid=8220 Safariland Model 8220 Double Cuff]</ref>。こちらは主に[[アメリカ合衆国]]で、被逮捕者を多数出す事が予想される[[強制捜査]]などに使用されており、パトロール部門から特殊部隊まで利用される分野は幅広い。切断する事無しに開錠できない使い捨ての物もあれば、通常の手錠と同じように鍵で開錠し再利用できるものもある<ref>[http://www.handcuffwarehouse.com/keycudorere.html KeyCuff Double Reusable Restraint]</ref>。
 
日本における一般的な警察官の手錠は以前は[[ニッケル]][[めっき]]された鋼鉄製の重厚なものであったが、疑者を拘束するのは事実上捜査員のみになっており、制服警官は現行犯逮捕でもしない限りほとんど使用する機会がないため、[[拳銃]]・[[警棒]]と共に装備軽量化が図られ黒色アルミ合金製の物に変更された(状況によっては予備弾や無線機まで持たねばならないわけで、フル装備になると帯革も含めたその重さで[[腰痛]]を患う者が続出したという。旧形式の帯革が[[サム・ブラウン・ベルト|負革]]付きで、更に冬上着には支えの金属フックまで縫い付けられていたのはこのため)。しかし簡単に[[ペンチ]]や[[ニッパー (工具)|ニッパー]]など市販の工具で破壊できるようになり、凶悪犯や外国人犯罪者に対して通常逮捕(逮捕状の執行)に行く場合などは旧型手錠に捕縛紐を付けたものが使われる事もある(現行アルミ手錠も鎖は鋼鉄製)。
 
なお、日本では[[1972年]]、手錠を付けた被疑者が逃走している最中、市販の[[金ノコ]]で手錠の鎖を切断した事件も発生している<ref>「手錠のクサリ 切った瞬間に御用 脱走の男」『朝日新聞』昭和47年(1972年)7月13日朝刊、13版、22面</ref>。
 
また、アメリカでは[[炭素鋼]]の手錠が一般的であり、多くの法執行機関で原則的に[[スミス&ウェッソン]]やPeerless、Hiattなど限られたメーカーの、ニッケルめっきされたシルバーの手錠を使うように定められている(アメリカで使われている手錠は同じモデルでもガンブルーとシルバーの二色のラインナップがあるが、ガンブルー(黒色酸化皮膜)はニッケルメッキの表面処理に比べ剥げやすく、露出した部分から赤錆が進行するため)。
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== 販売 ==
日本では司法機関で使用する製品(官給品)が市中に出回ることが禁止されている。手錠の一つ一つに管理番号が刻印されているため、たとえ闇市場などに流通しても出所が確認できる。また、民間人はもちろんのこと、警察官や看守などの正当な職務者であっても、私的に購入・所持することもできない(過去には、警察官が官給品を私的に購入することが可能な時代もあった)。他方、日本国内であっても、アジア製など粗悪なものを含め、防犯グッズ店、マニア店や通信販売で、鍵がなければ開かない真正品が容易に入手できる(中には警察に納入しているメーカーが製造した、シリアルナンバーの入っていないレプリカなども)。アメリカでは[[警察官]]・[[保安官]]が消耗した装備品を個人購入出来ることもあり、市販されている([[ピアリス]]、スミス&ウェッソン、[[ビアンキ・インターナショナル]]などが有名)。
 
== 拘束とメディア ==
日本におけるニュース映像などでは[[1990年代]]頃から、被疑者に掛けられた手錠を極力映さないようにし、映った場合もその部分には[[モザイク処理]]などで隠されている。これは、[[ロス疑惑]]において[[三浦和義]]が「''有罪が確定していない、[[推定無罪]]の被疑者を晒し者にする''」として訴訟を起こしたことがきっかけとなった<ref>{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20070710230054/http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/miurajiken.html |title=『逆転無罪』 |access-date=2022-12-08 |date=2007-07-10 |website=web.archive.org |publisher=[[松山大学]]}}</ref>
 
同様にフランスなどでも拘束された囚人撮影に制限がある<ref>{{Cite web |url=http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703421204576328982375553362.html |title=France Urges Restraint From Media, Politicians |access-date=2022-12-08 |last=Gauthier-Villars |first=Thomas Varela And David |website=WSJ |language=en-US}}</ref>。
 
== 国際的なメーカー ==
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* [[逮捕]]
* [[逮捕術]]
* [[首輪]]
* [[手鎖]]
* {{ill2|サムカフ|en|Thumbcuffs}} - 手の親指同士を拘束する。
* [[足枷]]
* [[手枷]]
* [[捕具]]
 
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:てしよう}}
[[Category:拘束具]]