「解離性同一性障害」の版間の差分

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Kusamura N (会話 | 投稿記録)
親が慢性的なうつ病で→経済的事情・慢性疾患などで
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(3)のネグレクト (neglect) を原因とするDID症例も多く、ネグレクト (neglect) は虐待とセットで論じられることも多い。
ネグレクトというと「養育放棄」の重いもの、「充分な食事を与えない」「放置する」というようなイメージが強いが、しかし意味するところはもっと広く、経済的理由・親が慢性疾患うつ病子供の感情に対する応答が出来ないなども含めて、精神の発達に必要な愛情その他の養育が欠如している状態を指す。
ネグレクトも心的外傷 (trauma) に含めてそれを陰性外傷 (negative trauma) と呼び、通常の虐待を陽性外傷 (positive trauma) と呼ぶこともある<ref>岡野憲一郎 (1995) 「外傷性精神障害のスペクトラム」『精神科治療学』第10巻 1号 ([[#精神科治療学論文集1998|『精神科治療学論文集』 1998]] p.12)</ref><ref>[[#岡野憲一郎1995|岡野憲一郎1995]] pp.23-25,pp.55-57</ref><ref>[[#岡野憲一郎2009|岡野憲一郎2009]] pp.23-25</ref>。陰性外傷 (negative trauma) としてとらえた場合には、それが親の責任であるかどうかに関わらず、場合によっては子供の過度の感受性故の誤認による主観的な心の傷まで範囲は広がる。
家庭内の虐待を伴わないネグレクトもあるが、家庭内の虐待は多くの場合陽性外傷 (positive trauma) であるとともに陰性外傷 (negative trauma) でもあることがある。ストロロウ (Stolorow,R.) などは、小児期における心的外傷 (trauma) は苦痛自体が外傷体験なのではなく、それに対して養育者(親)が応答してくれない、波長を合わせる(attunement) ことを行わないことが外傷体験であるという<ref>[[#岡野憲一郎1995|岡野憲一郎1995]] p.106</ref>。[[クラフトの四因子論]]で云えば[[クラフトの四因子論#第四因子|4つ目]]の「慰めの不足」に似ている。