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鉄道のサインシステムは写研のフォントが使われていたが(JR東海は旧国鉄の「すみ丸ゴシック」も混用)、電算写植の技術を持つオペレーターが少なくなっていたため、DTPを使用せざるをえなくなり、看板が古くなって交換する2010年代以後に「写研のフォントとよく似たデジタルフォント」に次第に置き換えられている。
 
放送業界においては、1984年に写研の電子テロップシステム「TELOMAIYER」(テロメイヤー)が発売され、これは写植を介さずに直接感熱記録紙に印字できるので、その時点で写植ではなくなっている。放送業界ではその後もしばらく写研の電子テロップシステムによるものと並行して、写研の電算写植機によるテロップが使われていたが、例えばNHK年鑑では1994年度以降は「写植」の文字が登場しなくなり、そのころに電算が廃止されたようである。ちなみに放送業界においても、番組制作のデジタル化が進むとともに、やはり電算機と同様に「わざわざ写研の電子テロップシステムを使わなくても、Macに元から入っているフォントで十分」ということになり<ref>[https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/report/2014_01/20140103.pdf 【放送のオーラル・ヒストリー】「テレビ美術」の成立と変容 (1)文字のデザイン] - NHK『放送研究と調査』 2014年1月号</ref>、写研のフォントは2000年代以降にはほとんど使われなくなった。しかし2021年現在でもアニメ業界では[[シンエイ動画]]制作の『[[クレヨンしんちゃん (アニメ)|クレヨンしんちゃん]]』において写研のフォントを使用している。他にも[[東映アニメーション]]制作の『[[プリキュアシリーズ]]』が2011年の『[[スイートプリキュア♪]]』まで写研のフォントを使い続けていたが、2012年の『[[スマイルプリキュア!]]』から[[フォントワークス]]のフォントに移行した。
 
漫画においては、2000年代前半までは講談社を除くほとんどの出版社では写研の電算写植機でネームを印字して貼り込んでおり、例えば集英社の『[[週刊少年ジャンプ]]』で必殺技を叫ぶ際などに使われている書体は写研の「ゴナ」であった(一方、講談社はモリサワの「アンチックAN」をよく使っていた)。写研はSAMPRAS-C上で動くマンガ編集システム「ハヤテ」を2000年に開発し、Macと比べて著しく高価なWindowsベースのシステムではあるものの、これを使えば編集者が生原稿の手書きネームを消しゴムで消して写植のネームを水平垂直がズレないよう丁寧に貼り込んだりする必要もなく、原稿をスキャンしてPC上で一括で処理できるようになり、またPCの画面でラフ画稿に写植を貼り込んで初稿を出したりもできるようになることから、『週刊少年マガジン』など講談社グループの漫画の製版を手掛ける豊国印刷も2001年に「ハヤテ」を導入した。一方で豊国印刷では漫画製版のMac製版(DTP)への移行が進められており、2003年にモリサワに依頼してMac(DTP)用としては初となる「[[アンチック体]]」(漫画で最も一般的に用いられるフォント)をリリースさせ、2005年にはInDesignをベースとした漫画製版システムを自社開発する。『週刊少年サンデー』を印刷する[[大日本印刷]]も、2003年にアドビと提携してInDesignを導入する。『週刊少年ジャンプ』の印刷を手がける[[共同印刷]]では、『週刊少年ジャンプ』の原稿を入稿して2〜3時間で出稿まで持っていくというような高速性を「職人技」に頼っていたため、コミック製版のDTP化が遅れていたが、この職人技をDTPに置き換えるため、2003年にInDesignをコアに使用した漫画用の組版システム「ComicPacker」を自社開発した<ref>[https://www.jagat.or.jp/past_archives/content/view/5428.html コミックの電子化と出版の変遷] - JAGAT</ref>。2006年より[[共同印刷]]がソフトバンクと共同で漫画のデジタル配信サービスを手掛けるようになると、「ComicPacker」は漫画のデジタル配信用データの作成ソフトとしても注目されるようになり、その過程で出た「DTPにはコミック特有の書体バリエーション(例えばホラー用の「イナクズレ」など)がない」という出版社からの要求に答えるため、共同印刷はフォントワークスに働き掛けてDTP用の漫画用フォントを制作させた。このような経緯で漫画におけるDTPの環境が整い、2000年代後半より順次に漫画製版のDTP化がなされた。連載漫画においては切りのいいところまで従来のフォントを使い続ける場合もあるため、漫画ごとに電算写植(写研の写植機を用いた製版)からDTP(MacとInDesignを用いた製版)への移行が順次に進むことになるが、例えば『週刊少年サンデー』では2007年から写研(電算写植)の「中見出しアンチック」に代わってモリサワ(DTP)の「学参かなアンチック」が、大手漫画雑誌の中では最もDTP化が遅れていた『週刊少年ジャンプ』でも2010年春ごろから写研(電算写植)の「ゴナ」に代わってモリサワ(DTP)の「新ゴ」が使われ始めたことが確認されている。「イナクズレ」「淡古印」も、DTP用に新たに開発された「コミックミステリ」または「万葉古印ラージ」に置き換えられた。