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{{Infobox animanga/Header
|タイトル= AKIRA
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[[第三次世界大戦]]後の日本を舞台に、[[超能力]]者を巡って軍と反政府勢力、そして不良少年たちが巻き起こす騒乱とその後の崩壊した世界を描いた[[サイエンス・フィクション|SF]]漫画<ref name="kai-you65732">{{cite web|url= https://kai-you.net/article/65732 |author= |title =大友克洋、新作『ORBITAL ERA』制作決定 『AKIRA』新アニメ化も |date =2019-07-05 |accessdate= 2023-01-18|website =KAI-YOU.net|publisher =株式会社カイユウ}}</ref>。<!--タイトルの「AKIRA」は大友自身がファンであり影響を受けた映画監督[[黒澤明]]に由来する。-->可視化できない超能力を絵で表現し、[[近未来]]の退廃と崩壊を描いたSF作品として高い評価を獲得した<ref name="kai-you79266">{{cite web|url= https://kai-you.net/article/79266 |author= 小林優介 |title =『大友克洋全集』が2021年刊行決定! 世界的な漫画家 |date=2021-01-06 |accessdate= 2023-01-18|website =KAI-YOU.net|publisher =株式会社カイユウ}}</ref>。その反響は海外にもおよび、世界中に熱狂的なファンを持つようになった<ref name="manga38_otomo">{{cite web|url=https://edist.isis.ne.jp/dust/manga38_otomo/ |author=堀江純一 |title=マンガのスコア LEGEND38大友克洋 これがホントの以前/以後 |date=2021-10-14 |accessdate= 2023-01-18|website=遊刊エディスト |publisher= 編集工学研究所}}</ref>。
 
日本漫画史の中で欠かすことのできない[[1980年代]]を代表する漫画とされ、SFのジャンルだけでなく、漫画の分野全体に影響を及ぼした<ref name="itmedianews017">{{cite web|url=https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1907/05/news017.html |author=[[数土直志]] |title=『AKIRA』悲願のハリウッド映画に! 日本作品の実写化が止まらない真相 (1) |date=2019-07-05 |accessdate= 2023-01-18|website= ITmedia NEWS|publisher= [[アイティメディア]]}}</ref><ref name="animeanime2800">{{cite web|url=https://animeanime.jp/article/2008/02/21/2800.html |author= |title=大友克洋「AKIRA」ハリウッド実写化決定 2009年夏公開目指す |date=2008-02-21 |accessdate= 2023-01-18|website=アニメ!アニメ!|publisher= [[イード (企業)|イード]]}}</ref>。1988年に大友自身の手により劇場アニメが制作されると、アニメ業界にも大きなインパクトを与えた<ref name="animeanime2800"/>。また漫画やアニメだけでなく、[[アート]]や[[ファッション]]を含む[[サブカルチャー]]にも多大な影響を与えたと言われる<ref name="kai-you65732"/><ref name="animeanime2800"/>。
 
数多くの日本の漫画が世界中に翻訳されるきっかけを作った作品で、それまで子供向けとされていた日本の漫画やアニメの評価を一気に引き上げ、海外の[[オタク]]第一世代を生み出した作品のひとつでもある<ref name="manga38_otomo"/><ref name="animeanime2800"/>。1980年代後半に原作漫画とアニメの両方が海外に輸出されると、[[米国]]や[[イギリス]]を中心に世界のクリエイターたちに衝撃を与え、高く評価された<ref name="animeanime2800"/>。当時、[[アメリカン・コミックス]]の世界には新しい時代の波が訪れており、『[[ウォッチメン]]』や『[[バットマン: ダークナイト・リターンズ]]』の登場により、スーパーヒーローが活躍する勧善懲悪の物語だけでなく、より複雑な人間関係や緻密な描写がなされた、大人の鑑賞に耐えうる長編作品『[[グラフィックノベル]]』が注目され始めていた<ref name="magmix27482_1">{{cite web|url=https://magmix.jp/post/27482 |author=倉田雅弘 |title=『AKIRA』をジャパニメーションの金字塔に持ち上げた、アメリカ非公式のネットワークとは (1) |date=2020-05-06 |accessdate= 2023-01-24|website= マグミクス|publisher= [[メディア・ヴァーグ]]}}</ref>。『AKIRA』も、その流れの一環として1988年に『[[スパイダーマン]]』などで有名な[[マーベル・コミックス]]から刊行された<ref name="magmix27482_1"/>。その時点ではまだ知る人ぞ知る作品の位置に留まっていたが、1989年にアニメ映画が公開されると事態が一変<ref name="magmix27482_1"/>。口コミで徐々に人気が広まり、日本を代表する作品となった<ref name="magmix27482_2">{{cite web|url=https://magmix.jp/post/27482/2 |author=倉田雅弘 |title=『AKIRA』をジャパニメーションの金字塔に持ち上げた、アメリカ非公式のネットワークとは (2) |date=2020-05-06 |accessdate= 2023-01-24|website= マグミクス|publisher= [[メディア・ヴァーグ]]}}</ref>。
 
数多く2012年日本の漫画が世界中に翻訳されるきっかけを作った作品で、それまで子供向けとされていた日本の漫画やの評価を一気に引き上げ、海外のリカ映画『[[オタ]]第一世代を生み出した作品のひとつでもある<refロニクル name="manga38_otomo"/><ref name="animeanime2800"/>。1980年代後半に原作漫(映とア)|クロメの両方が海外に輸出されると、[[イギリスクル]]や[[米国]]を中心に世界のクリエイターたちに衝撃を与え』は高く評価された<ref name="animeanime2800"/>。公開時に現地の多くの観客から『AKIRA』の影響{{Refnest|group="注"|長年、劣等感に悩まされてきたが[[超能力]]という圧倒的な力を得たことにより大きく変貌していく主人公のキャラクター造形など。}}を指摘された2012年のアメリカ映画『[[クロニクル (映画)|クロニクル]]』が、その監督[[ジョシュ・トランク]]は作品のファンであることを公言している<ref>{{Cite web|url= https://ure.pia.co.jp/articles/-/16578|title=全米大ヒット『クロニクル』と『AKIRA』の関係とは? 監督が語る|website=ウレぴあ総研|publisher= [[ぴあ]] |date=2013-08-19|accessdate= 2023-01-18}}</ref>。[[アメリカ人]][[ミュージシャン]]の[[カニエ・ウェスト]]は、自身の楽曲「{{仮リンク|Stronger (カニエ・ウェストの曲)|label=Stronger|en|Stronger (Kanye West song)}}」でアニメ映画『AKIRA』の世界観と映像を[[オマージュ]]した[[ミュージック・ビデオ]]を制作したり(ている<ref>{{cite web|url=https://www.wwdjapan.com/articles/676677 |author=小川陸|title=カニエ・ウェストが全てのクリエイションは『AKIRA』に影響された」と告白 |date=2018-08-19|accessdate= 2023-01-18|website= |publisher=WWD(Women's Wear Daily)}}</ref>。2016年のアメリカのSF[[Strongerホラードラマ]]」)、[[Twitterストレンジャー・シングス 未知の世界]]で大友』{{Refnest|group="注"|登場人物のイレブンいう少女が、鉄雄と同様に政府の施設から逃げ出し、超能力を持っていることを悟る。}}では、製作者の[[ダファー兄弟]]が『AKIRA』の影響が「とてつもなく大きなものであったこと称えたりしインタビューで語っている<ref name="courrier133646">{{Cite web |url= =https://ure.pia.cocourrier.jp/articlesnews/-archives/16578133646/#paywall_anchor_133646 |author = |title =全米大ヒッカニエ・ウエスも「ストレンジャー・シングス」も… 大友克洋AKIRA』が30年間世界に影響力を持ち続ける理由|date = 2018-08-31|accessdate= 2023-01-24|website = [[ロニクーリエ・ジャポン|COURRiER]]|publisher = [[講談社]]}}</ref>。『[[スター・ウォーズ/最後のジェダイ]]』の監督の[[ライアン・ジョンソン]]は、自身のSF映画『[[LOOPER/ーパー]]{{Refnest|group="注"|映画では、ある少年が相手を念力だけで殺害できる能力を持つ。}}の着想源が『AKIRA』の関係であるこは?を明かしている<ref name="courrier133646"/>。1998年のSF映画『[[ダークシティ]]』のラストシーンについて、[[アレックス・プロヤス]]監督は「『AKIRA』へのオマージュ」とその影響をってい<ref name="moviewalker227983">{{cite web|websiteurl=ウレぴあ総研https://moviewalker.jp/news/article/227983/p2 |publisherauthor= [[ぴあ]] |title=スピルバーグ、デル・トロら巨匠たちも! 『AKIRA』が世界のクリエイションに与えた絶大なる影響 |date=20132020-0803-1927 |accessdate= 2023-01-1824|website= [[Movie Walker]]|publisher= [[株式会社ムービーウォーカー]]}}</ref>。2013年のSF映画『[[パシフィック・リム (映画)|パシフィック・リム]]』では、[[ギレルモ・デル・トロ]]監督が登場人物の一人、ペントコスト司令官は『AKIRA』に登場する大佐をモデルにしたと明かしている<ref name="moviewalker227983"/>。さらに、アメリカのストリートウェアブランド「[[シュプリーム (ブランド)|シュプリーム]]は、2017年秋に『AKIRA』とコラボしたコレクション「AKIRA/Supreme」を発表し<ref>{{cite web|url=https://www.wwdjapan.com/articles/676677982883 |author=小川陸|title=カニエ・ウェストが大友克洋と河村康輔に全てAKIRA」クリエイアートウォールから「ョンは『AKIRA』に影響されたュプリームと告白コラボまでを聞く |date=20182019-0811-1925|accessdate= 2023-01-1824|website= |publisher=WWD(Women's Wear Daily)}}</ref>、[[ファレル・ウィリアムス]]はコラボした[[シャネル]]のコレクションで『AKIRA』にインスパイアされたビジュアルを発表するなど、ファッション業界にまでも影響を及ぼしている<ref name="moviewalker227983"/>。ヨーロッパでもその評価は高く、[[フランス]]の[[バンド・デシネ]]作家[[バスティアン・ヴィヴェス]]は、『AKIRA』に受けた衝撃について「若者がヒーローで、暴力、薬物、性といったタブーや大人の問題に対峙するストーリーにショックを受けた」と語っている<ref name="newsphere">{{cite web|url=https://newsphere.jp/entertainment/20150201-2/ |author= |title="漫画を進化させた" 「AKIRA」大友氏の仏漫画祭最高賞、現地大絶賛 |date=2015-02-01 |accessdate= 2023-01-18|website= NewSphera|publisher= Skyrocket株式会社}}</ref>。
 
作品には、大友が尊敬する漫画家の一人、[[横山光輝]]の漫画『[[鉄人28号]]』へのオマージュがこめられている<ref name="coolest-bike">{{cite web|url= https://www.forbes.com/sites/olliebarder/2017/05/26/katsuhiro-otomo-on-creating-akira-and-designing-the-coolest-bike-in-all-of-manga-and-anime/?sh=393dc94e6d25|title=Katsuhiro Otomo On Creating 'Akira' And Designing The Coolest Bike In All Of Manga And Anime |author= Ollie Barder|date= 2017-05-26|accessdate= 2023-01-18 |website= forbes.com |publisher= Forbes}}</ref>。アキラのナンバーが28号となっているのは鉄人の28号をそのまま使っているためであり、金田や鉄雄、大佐などのキャラクターの名前も同作からの引用である<ref name="coolest-bike"/>。また「大戦中に開発された究極の兵器が平和な時代に発見され、それを巡って物語が展開する」という全体の筋書きは『鉄人28号』とほぼ同じである<ref name="coolest-bike"/>。
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|製作国 = {{JPN}}
|言語 = [[日本語]]
|制作費 = 約10億円(推定){{Refnest|group="注"|name="seisakuhi"|当時、[[渡辺繁]](元バンダイビジュアル取締役社長の[[渡辺繁]](制作当時は社員として参加していた)は、2020年に「製作費11億(制作費10億円に公開後のリテンターナショナル製作用等にかかったとされる1億円を含めた数字)かかっていません」「盛り過ぎ」とこの金額を否定し、[[講談社]]の製作担当だった角田研は「当初の予算は5億円でしたが、最終的に7億円になりました」と証言している<ref name="ねとらぼ 2020-06-08">{{Cite web|author=福田瑠千代(ねとらぼ)|date=2020-06-08|url=https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2006/08/news131.html|title=映画「AKIRA」の製作費は「11億円」ではなく「約7億円」 ネット情報を関係者が訂正|website=ねとらぼ|publisher=[[ITmedia|アイティメディア株式会社]](ITmedia)|accessdate=2021-03-01}}</ref><ref>{{cite web|url =https://www.steamboy.net/production/interview/watanabe.shtml|author= |title = インタビュー:エグゼクティブ・プロデューサー:渡辺 繁|date = |accessdate= 2022-12-21|publisher =映画『スチームボーイ』公式サイト}}</ref>}}
|配給収入 = 7億5000万円<ref>{{Cite journal|和書|year=1989|title=邦画フリーブッキング配収ベスト作品|journal=[[キネマ旬報]]|issue=[[1989年]]([[平成]]元年)[[2月]]下旬号|pages=171|publisher=[[キネマ旬報社]]}}</ref>
|前作 =
|次作 =
}}
[[1988年]](昭和63年)に原作者の大友自身が監督を務めたアニメ映画が公開された<ref name="itmedianews017"/>。大友にとっては初の長編映画で、日本アニメとしては異例の巨額な制作費を投じ、日本中から一線級のスタッフを集めて制作された<ref name="yorozoonews14513391">{{Cite web|url =https://yorozoonews.jp/article/14513391|author=沼田浩一 |title =大友克洋のあくなき挑戦 大友アニメーションを振り返る 全集にブルーレイ「AKIRA」 |website = よろず〜|publisher = [[デイリースポーツ]] |date = 2022-01-29|accessdate= 2022-12-02}}</ref><ref name="A0007183">{{cite web|url=https://www.cinematoday.jp/page/A0007183 |author= |title=『AKIRA』はなにがすごいのか…! IMAXで蘇る傑作 |date=2020-04-03 |accessdate= 2023-01-24|website=[[シネマトゥデイ]]|publisher=株式会社シネマトゥデイ}}</ref>。映画制作時点ではまだ漫画が雑誌連載中だった(コミックスも4巻までしか刊行されていなかった)ため、原作とは若干ストーリーが異なる<ref name="gigazine20080222">{{Cite web|url=https://gigazine.net/news/20080222_akira_movie/ |title=ハリウッドで制作される「AKIRA」の実写映画は2部作で原作全てを描く |website= [[GIGAZINE]]|publisher=株式会社OSA|date=2008-02-22 |accessdate= 2023-01-24}}</ref>。映画は大友が自ら描き下ろした絵コンテをベースに、原作コミックス3巻前後までの話を展開した後、映画独自のラスト{{Refnest|group="注"|クライマックスでの展開には原作のラストに通じる要素も多く含まれている。}}に帰結させる形でまとめられた。
[[1988年]](昭和63年)に、日本で公開された。
 
まだ原作が連載中(4巻まで)の制作であったため、大友が自ら映画上映用に描き下ろした絵コンテをベースに、原作で言う3巻前後までの展開(鉄雄暴走・アキラ復活・ネオ東京の崩壊)の後、映画独自のラストに帰結する形でまとめられている。一方、クライマックスでの展開には原作のラストに通じる要素も多く含まれている。
 
映画製作費に、当時の日本のアニメーション映画としては破格の10億円<ref group="注" name="seisakuhi"/>をかけ、70mmプリント・総セル画枚数約15万枚を使用。[[アフレコ]]ではなく[[プレスコ]]を採用して、会話のアニメートもできるだけ自然に見えるように作画(通常リミテッドアニメーションでの人物の口の動きは3種類であるが、この作品では、日本語の母音数と同じ5種類で描かれている)、ドクターの使用する波形センサーの動きは、当時ほとんど採用例がなかった[[3DCG]]アニメーションとセル画の背景合成で再現するなど、贅沢な制作体制を取った。
 
同年12月のビデオ化にあたっては大友が自ら200ものカットに手を加え、さらに1億円{{R|ねとらぼ 2020-06-08}}の巨額を投じ、撮影や音響を向上させた'''国際映画祭参加版'''としてリリース。スタッフやキャストの表記を全て英語に置き換え、[[ハリウッド・リポーター]]選出の「大人向けアニメ映画ベスト10」において4位にランクイン<ref>{{Cite news |author= |url=https://eiga.com/news/20160817/10/ |title=米誌選出「大人向けアニメ映画ベスト10」 日本映画最上位は「AKIRA」の4位 |newspaper=[[映画.com]] |publisher= |date=2016-08-17 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160817092709/https://eiga.com/news/20160817/10/ |archivedate=2016-08-17 |deadurldate=|page=}}</ref>するなど絶大な人気を集めると共に、その後の大人向けアニメの先鞭をつける形となった。
 
劇伴は[[芸能山城組]]が担当。[[ガムラン]]や{{仮リンク|ジェゴグ|label=|en|Gamelan jegog}}、[[ケチャ]]を使用した独特の楽曲は、劇伴の枠を超えた独自性を持ち、音楽面でも高い評価を得た。
 
劇中に登場するメカデザインは原作漫画からのものが多く、ほとんどを大友がデザインしている<ref name="coolest-bike"/>。ただし、バイクに関しては[[森本晃司 (アニメーター)|森本晃司]]がデザインのいくつかを手掛けており、自動車は田中清美が担当した<ref name="coolest-bike"/>。また、アキラが冷凍睡眠していた極低温ポッドの複雑な内部パーツなどは、[[渡部隆]]の手によるものである<ref name="coolest-bike"/>。
 
映画冒頭のジョーカーとの対決シーン金田の「車体がバイクを横滑りさせて急停車」止させるシーンは、本作を象徴する場面の一つであり、様々な作品でオマージュされている<ref name="A0007183">{{cite web|url=https://www.cinematoday.jp/page/A0007183 |author= |title=『AKIRA』はなにがすごいのか…! IMAXで蘇る傑作 |date=2020-04-03 |accessdate= 2023-01-18|website=[[シネマトゥデイ]]|publisher=株式会社シネマトゥデイ}}</ref>。また、走るバイクのテールライトの光尾を引くように残像を残して描いたり、複雑な形状の脳波の波形を[[3DCG]]アニメーションとセル画の背景合成で再現したりなど斬新な演出も多数行われ、その後のアニメ作品に多大な影響を与えている<ref name="yorozoonews14513391"/><ref name="A0007183"/>。
 
日本のアニメでは珍しく、一般的な「[[アフレコ]]」方式ではなく、声優の声の芝居を先に収録してその芝居に合わせて作画してゆく「[[プレスコ]]」方式を採用している<ref name="A0007183"/>{{Refnest|group="注"|大友によれば、「[[ディズニー]]などではごく当たり前のことだったので、『AKIRA』でもいいんじゃないかと思った」とのこと<ref name="coolest-bike"/>。}}。
2019年、新アニメプロジェクトの発表を受け、本作の[[4K解像度|4K]]画質による[[デジタルリマスター|リマスター]]版の制作を敢行。35mmマスターポジフィルムから変換し<ref>{{Cite web|author=取材・文 / 山下達也(ジアスワークス)|date=2020-04-15|url=https://tokyo.whatsin.jp/592427|title=『AKIRA』4Kでようやく真価を現す物凄さ、リマスター技術者に聞く「やっとフィルム本来のポテンシャルを全て表現できる」|website=WHAT’s IN? tokyo(ワッツイントーキョー)|publisher=株式会社[[ソニー・ミュージックエンタテインメント (日本)|ソニー・ミュージックエンタテインメント]]|accessdate=2020-10-17}}</ref>、画質の向上に加えて山城祥二の指揮のもとに5.1ch音源のリミックスを実施<ref>{{Cite web|date=2020-04-02|url=https://v-storage.bnarts.jp/anime/etc-anime/133580/|title=「AKIRA」4KリマスターがIMAX®で4月3日(金)より上映開始!|website=V-STORAGE(ビー・ストレージ)|publisher=株式会社[[バンダイナムコアーツ]]|accessdate=2020-10-04}}</ref><ref>{{Cite web|author=石井誠(いしいまこと)|date=2020-04-02|url=https://v-storage.bnarts.jp/report/135177/|title=4月24日「AKIRA 4Kリマスターセット」発売記念!4月3日上映開始「AKIRA 4Kリマスター」IMAX®体験レポート|website=V-STORAGE(ビー・ストレージ)|publisher=株式会社[[バンダイナムコアーツ]]|accessdate=2020-10-13}}</ref><ref>{{Cite web|author=鳥居一豊|date=2020-04-23|url=https://online.stereosound.co.jp/_ct/17359020|title=【4K AKIRAは音が凄い!】『AKIRA 4Kリマスターセット』でますます進化したサウンドの秘密を公開!! “ハイパーソニック・ペガサス”プロセスでさらに高まった音のリアリティー|website=Stereo Sound ONLINE|publisher=株式会社ステレオサウンド|accessdate=2020-10-13}}</ref>。IMAXレーザーなど[[IMAX#IMAXシアター|IMAXシアター]]が導入されている全国36館にて<ref>{{Cite web|date=2020-03-22|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0114865|title=『AKIRA』の衝撃再び 4Kリマスター版IMAX上映で究極体験|website=[[シネマトゥデイ]]|publisher=株式会社シネマトゥデイ|accessdate=2020-10-17}}</ref><ref>{{Cite web|author=杉本穂高|date=2020-04-03|url=https://www.cinematoday.jp/page/A0007183|title=『AKIRA』はなにがすごいのか…!IMAXで蘇る傑作|website=[[シネマトゥデイ]]|publisher=株式会社シネマトゥデイ|accessdate=2020-10-17}}</ref>、2020年4月3日からリバイバル公開され<ref>{{Cite web|author=山崎健太郎|date=2020-03-19|url=https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/1241871.html|title=やっぱり「AKIRA」は凄かった、4Kリマスター版のIMAX試写で打ちのめされる|website=[[Impress Watch|AV Watch]]|publisher=株式会社[[インプレス]]|accessdate=2020-10-17}}</ref><ref>{{Cite web|author=取材・文/神武団四郎|date=2020-04-02|url=https://moviewalker.jp/news/article/228484/|title=imaxでさらに心揺さぶられる!『akira』4kリマスター版を観るべき3つの理由|website=[[Movie Walker|MOVIE WALKER PRESS]]|publisher=[[ムビチケ|株式会社ムービーウォーカー]]|accessdate=2020-10-17}}</ref><ref>{{Cite web|author=レポーター 山下達也|date=2020-03-31|url=https://web.archive.org/web/20200516141010/https://tokyo.whatsin.jp/590858|title=『AKIRA』IMAX上映に備えて。4Kリマスター&爆音の極限クオリティが傑作にもたらす新たな価値とは?【先行試写レポ】|website=WHAT’s IN? tokyo(ワッツイントーキョー)|publisher=株式会社[[ソニー・ミュージックエンタテインメント (日本)|ソニー・ミュージックエンタテインメント]]|accessdate=2020-10-17}}</ref>、6月5日からは通常の映画館でも4Kリマスター版が上映された<ref>{{Cite web|date=2020|url=https://www.toho.co.jp/movie/lineup/akira_imax.html|title=AKIRA デジタルリマスター版 2020年6月5日(金)公開|website=[[東宝]]|publisher=東宝株式会社|accessdate=2020-10-17}}</ref><ref name="4K KAI-YOU 2020-06-04">{{Cite web|date=2020-06-04|url=https://kai-you.net/article/75183|title=『AKIRA』4Kリマスター公開 TOHOシネマズ営業再開で新海、湯浅作品など特別上映|website=KAI-YOU.net|publisher=[[KAI-YOU|株式会社カイユウ]]|accessdate=2020-10-14}}</ref>。さらには4K映像を[[ドルビービジョン]]の[[HDR]]映像にリマスターを行い、全国7館の[[ドルビーシネマ]]でも12月4日に公開された<ref name="シネマトゥデイ 2020-11-18">{{Cite web|author=編集部・入倉功一|date=2020-11-18|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0119939|title=『AKIRA』12月4日からドルビーシネマ上映決定!|website=[[シネマトゥデイ]]|publisher=株式会社シネマトゥデイ|accessdate=2020-11-19}}</ref><ref>{{Cite web|author=著者: 庄司亮一|date=2020-11-18|url=https://news.mynavi.jp/article/20201118-1507370/|title=『AKIRA』ドルビーシネマ上映決定、全国7館で12月4日から|website=[[マイナビニュース]]|publisher=株式会社[[マイナビ]]|accessdate=2020-11-20}}</ref>。
 
=== ストーリー(アニメ映画) ===
[[1988年]][[7月16日]]、[[関東地方]]で「新型爆弾」が炸裂し、[[第三次世界大戦]]が勃発。それから31年後、[[2019年]]の新[[首都]]「ネオ東京」では、反政府[[ゲリラ]]と軍(アーミー)との衝突が続いていた。
 
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* 協力 - 有限会社マッシュルーム、[[タイトー]]、[[ソニー]]、ベストバイク社、フリーランスプランニング、[[日本電信電話|NTT]]、有限会社スタジオハード、White House、KADOYA、友&愛ビジネスコーポレーション、やまもと寛斎、[[チチヤス|チチヤス乳業]]、[[コダック#日本法人|コダック・ナカセ]]、[[パイオニア]]
 
=== TV放送制作 ===
総製作費10億円{{Refnest|group="注"|name="seisakuhi"}}、製作スタッフ1,300人と破格の労力がつぎ込まれ、70mmプリント・セル画15万枚・色彩設定327色という日本のセル画のアニメーション映画としては最高峰の作品<ref name="itmedianews130">{{cite web|url=https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2112/03/news130.html |author= |title=『AKIRA』大友克洋の初監督作品も上映 「角川映画祭」が新たなファンを獲得する理由アーカイブビジネスで収益化 |date=2021-12-03 |accessdate= 2023-01-24|website= ITmedia NEWS|publisher= [[アイティメディア]]}}</ref><ref name="atpress77549">{{cite web|url=https://www.atpress.ne.jp/news/77549 |author= |title=日本アニメの最高傑作 「AKIRA」HDCAM SR Master上映決定!|date=2015-10-15 |accessdate= 2022-12-19|website=@Press|publisher=ブレインズインターナショナル株式会社}}</ref>。漫画において驚異的な[[デッサン]]力でリアル志向の画を追求してきた大友が、自身の画をアニメでも再現することを求め、動きもとことんリアルさにこだわって制作した<ref name="A0007183"/>。大友のハイレベルなデッサンの画を緻密に動かすために集められた作画メンバーは、作画監督のなかむらたかし、作監補の森本晃司、原画に金田伊功、福島敦子、井上俊之、沖浦啓之、故・木上益治など、その後の日本アニメを支えることになる超一流のスタッフばかりだった<ref name="A0007183"/>。
* 2004年7月10日(土曜日)26:10-28:40 TBSで放送された。
 
作画については、日本の一般的なアニメが「3コマ打ち」で描かれることが多いのに対し、本作は「2コマ打ち」を基本として制作されている<ref name="A0007183"/>{{Refnest|group="注"|「コマ打ち」とは、1秒間24フレームの中で、同じフレームを何コマ表示するのかを示したもの。}}。一般的に、同じ画が続くフレームが多いほど動きは制限され、少ないほどなめらかな動きを描ける{{Refnest|group="注"|ただし、3コマ打ちが必ずしもなめらかな動きを作れないというわけではない。}}が、それだけ描かなければならない画の枚数は増えることになる<ref name="A0007183"/>。大友は、よりリアルな動きを追求するため「2コマ打ち」に挑戦して、人体の細かな動作を再現、動きによって感情を表現している<ref name="A0007183"/>。その動きの緻密さが端的に見て取れるのはキャラクターの口の動きで、一般的な日本のアニメでは、口の形は3種類程度だが、本作では人間の口の動きをリアルに再現するためAからGまでの7種類に描き分けられており、セリフとのリップシンクも精密に作られている<ref name="A0007183"/><ref>{{Cite tweet|user= Hiramatz|author= 平松禎史|number= 68915582640209920|title= 口パク話。|date=2011-05-13|accessdate= 2023-01-24}}</ref>。また、メインのキャラクターが動いている時、それ以外のキャラクターは大体止まっているものだが、本作では画面上すべてのキャラが動いている<ref name="yorozoonews14513391"/>。リアリティーへのこだわりは[[レイアウトシステム|レイアウト]]にも表れており、[[広角レンズ]]や[[望遠レンズ]]を意識した描き分けをするなど、画でありながらカメラで撮影されたかのような映像を作り上げている<ref name="A0007183"/>。
 
=== 音楽 ===
[[劇伴]]は[[芸能山城組]]が担当。[[ガムラン]]や{{仮リンク|ジェゴグ|label=|en|Gamelan jegog}}、[[ケチャ]]を使用した独特の楽曲は、劇伴の枠を超えた独自性を持ち、音楽面でも高い評価を得た。
 
当初、大友は[[虫プロダクション]]出身のプロデューサーから[[シンセサイザー]]の[[音楽家]]・[[作曲家]]として非常に有名な[[冨田勲]]を薦められたが、その頃、SF作品とシンセサイザーという組み合わせはありがちなものだった<ref name="coolest-bike"/>。当たり前すぎてあまりエキサイティングではないと感じた大友は、何かユニークな新しいことをやりたいと思い、当時、自身が好んで聞いていた芸能山城組の音楽を使うことにした。彼らの[[民族音楽|民族]]的な音楽が『AKIRA』に合うと思ったからである<ref name="coolest-bike"/>。問題は、山城がプロのミュージシャンではなく、実際の仕事は学校の教師で、連絡先もわからないということだったが、どうにか会うことが出来て、直接依頼することになった<ref name="coolest-bike"/>。最初は山城を説得するために「2曲だけだから」とオファーしたが、実際はもっと曲が必要だった<ref name="coolest-bike"/>。そこで全体のラッシュアニメーションと全ての絵コンテを見せたところ、作品を気に入った山城が映画の音楽を全て手掛けることを了承した<ref name="coolest-bike"/>。
 
=== 公開 ===
日本では、1988年7月16日に全国公開された。公開当時の[[配給収入]]はおよそ7億5000万円で、「10億円」と報じられた制作費{{Refnest|group="注"|name="seisakuhi"}}を補えるものではなかった<ref name="magmix27482_2"/>。
 
海外では、日本公開からおよそ1年半後の1989年12月にアメリカで公開された<ref name="magmix27482_1"/>。日本のアニメが海外でまだ浸透していない時代だったこともあり、公開は大都市のごく一部の劇場に限定され、Box Office Mojoによれば興行収入およそ44万ドル(当時のレートでおよそ5500万円)、最高位19位という結果に終わった<ref name="magmix27482_2"/>。しかし一部のファンが日本ですでに発売されていた公式なビデオだけでなく[[海賊版]]も用いて上映会を行うと、噂を聞いたファンの間で[[ダビング]]されたビデオの貸し借りも盛んに行われ、斬新なカルチャーに飢えていた若者たちを中心に各地に人気の輪が広がって行った<ref name="magmix27482_2"/>。こうした非公式ながらも[[草の根運動]]的なネットワークの勢いに脅威を感じた配給会社のストリームライン・ピクチャーズは、公式なビデオの発売にあたって、実際に使用したセル画やアニメの素材を特典にしたという<ref name="magmix27482_2"/>。結果として、アメリカでの公式なビデオソフトも合計10万本を超えるヒットとなり、『AKIRA』は名実ともに[[ジャパニメーション]]の金字塔となった<ref name="magmix27482_2"/>。1991年には規模を拡大して全米で公開された。
 
2001年、パイオニアの米国法人Pioneer Entertainment社が100万ドルの費用をかけてデジタルリマスターしたものがアメリカで再上映され、封切り1週間で2万2000ドルの[[興行収入]]を記録した<ref name="N0001719">{{cite web|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0001719 |author= |title= 「AKIRA」、実写映画化決定|date=2002-04-16 |accessdate= 2023-01-24|website=[[シネマトゥデイ]]|publisher=株式会社シネマトゥデイ}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://xtech.nikkei.com/it/free/ITPro/USNEWS/20010803/5/ |author=田邊俊雅 |title=「アニメ『Akira』が首位」。7月23日〜29日の米国でのDVDソフト販売実績 |date=2001-08-03 |accessdate= 2023-01-24|website= 日経ビジネス|publisher = [[日経BP]]}}</ref>。
 
2020年4月3日から、IMAXレーザーなど[[IMAX#IMAXシアター|IMAXシアター]]が導入されている日本全国36館にて<ref>{{Cite web|date=2020-03-22|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0114865|title=『AKIRA』の衝撃再び 4Kリマスター版IMAX上映で究極体験|website=[[シネマトゥデイ]]|publisher=株式会社シネマトゥデイ|accessdate=2020-10-17}}</ref><ref>{{Cite web|author=杉本穂高|date=2020-04-03|url=https://www.cinematoday.jp/page/A0007183|title=『AKIRA』はなにがすごいのか…!IMAXで蘇る傑作|website=[[シネマトゥデイ]]|publisher=株式会社シネマトゥデイ|accessdate=2020-10-17}}</ref>リバイバル公開され<ref>{{Cite web|author=山崎健太郎|date=2020-03-19|url=https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/1241871.html|title=やっぱり「AKIRA」は凄かった、4Kリマスター版のIMAX試写で打ちのめされる|website=[[Impress Watch|AV Watch]]|publisher=株式会社[[インプレス]]|accessdate=2020-10-17}}</ref><ref>{{Cite web|author=取材・文/神武団四郎|date=2020-04-02|url=https://moviewalker.jp/news/article/228484/|title=imaxでさらに心揺さぶられる!『akira』4kリマスター版を観るべき3つの理由|website=[[Movie Walker|MOVIE WALKER PRESS]]|publisher=[[ムビチケ|株式会社ムービーウォーカー]]|accessdate=2020-10-17}}</ref><ref>{{Cite web|author=レポーター 山下達也|date=2020-03-31|url=https://tokyo.whatsin.jp/590858|title=『AKIRA』IMAX上映に備えて。4Kリマスター&爆音の極限クオリティが傑作にもたらす新たな価値とは?【先行試写レポ】|website=WHAT’s IN? tokyo(ワッツイントーキョー)|publisher=株式会社[[ソニー・ミュージックエンタテインメント (日本)|ソニー・ミュージックエンタテインメント]]|accessdate=2020-10-17}}</ref>、6月5日からは通常の映画館でも4Kリマスター版が上映された<ref>{{Cite web|date=2020|url=https://www.toho.co.jp/movie/lineup/akira_imax.html|title=AKIRA デジタルリマスター版 2020年6月5日(金)公開|website=[[東宝]]|publisher=東宝株式会社|accessdate=2020-10-17}}</ref><ref name="4K KAI-YOU 2020-06-04">{{Cite web|date=2020-06-04|url=https://kai-you.net/article/75183|title=『AKIRA』4Kリマスター公開 TOHOシネマズ営業再開で新海、湯浅作品など特別上映|website=KAI-YOU.net|publisher=[[KAI-YOU|株式会社カイユウ]]|accessdate=2020-10-14}}</ref>。さらには4K映像を[[ドルビービジョン]]の[[HDR]]映像にリマスターを行い、全国7館の[[ドルビーシネマ]]でも12月4日に公開された<ref name="シネマトゥデイ 2020-11-18">{{Cite web|author=編集部・入倉功一|date=2020-11-18|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0119939|title=『AKIRA』12月4日からドルビーシネマ上映決定!|website=[[シネマトゥデイ]]|publisher=株式会社シネマトゥデイ|accessdate=2020-11-19}}</ref><ref>{{Cite web|author=著者: 庄司亮一|date=2020-11-18|url=https://news.mynavi.jp/article/20201118-1507370/|title=『AKIRA』ドルビーシネマ上映決定、全国7館で12月4日から|website=[[マイナビニュース]]|publisher=株式会社[[マイナビ]]|accessdate=2020-11-20}}</ref>。
 
=== 評価 ===
日本アニメの世界的ブームの火付け役となった作品<ref name="sponichi20080223">{{cite web|url= https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2008/02/23/05.html |title= 「AKIRA」ハリウッドで実写版|date= 2008-02-23 |accessdate= 2023-01-24|website= |publisher= [[スポーツニッポン]] |archiveurl= https://web.archive.org/web/20080228043341/https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2008/02/23/05.html |archivedate= 2008-02-28}}</ref>。日本だけでなく海外での評価も高く、公開から30年以上経っても全世界に多くの熱狂的なファンを抱える<ref name="A0007183"/>。
 
[[ディズニー]]に代表されるマンガ色が強いアメリカの児童向けアニメとは全く異なる「リアルな頭身で描かれるキャラクター」「退廃した未来都市を緻密に描き込んだ美術」「SF的な設定と壮大なスケールで描かれる物語」「バイオレンスやグロテスクを内包したアクション」は強い衝撃を与え、後に"ジャパニメーション"なる造語を生み出すなど、海外における日本のアニメーション像に強い影響を残した<ref name="magmix27482_1"/>。
 
英国の映画サイトが選ぶ「世界のアニメ映画ランキング」第5位<ref>{{cite web|url=https://rocketnews24.com/2014/05/21/443591/ |author= |title=英国メディアが選ぶ「世界のアニメ映画トップ30」 日本からはジブリ作品『AKIRA』『パーフェクトブルー』が選出! |date= 2014-05-21|accessdate= 2023-01-24|website= [[ロケットニュース24]]|publisher= 株式会社ソシオコーポレーション}}</ref>、米[[ハリウッド・リポーター]]選出の「大人向けアニメ映画ベスト10」第4位<ref>{{cite web|url=https://eiga.com/news/20160817/10/ |author= |title=米誌選出「大人向けアニメ映画ベスト10」 日本映画最上位は「AKIRA」の4位 |date= 2016-08-17|accessdate= 2023-01-24|website= [[映画.com]]|publisher= 株式会社エイガ・ドット・コム}}</ref>、米サイト選出の「ディストピア映画20傑」第3位<ref>{{cite web|url=https://eiga.com/news/20150629/1/ |author= |title=米サイト選出「ディストピア映画20傑」1位に「ブレードランナー」、「AKIRA」は? |date= 2016-08-17|accessdate= 2023-01-24|website= [[映画.com]]|publisher= 株式会社エイガ・ドット・コム}}</ref>など、海外ではSF映画の古典とされている<ref name="animeanime2800"/>。
 
しかし、大友自身は最初のラッシュを見たときに「これは失敗作だと思った」と語っている<ref name="coolest-bike"/>。時間と予算が限られていたためにカットした部分が多く、またすべての作業を行うのに十分な数のアニメーターがおらず、さらにスタジオはコスト削減のために海外に外注していた原画の出来もあまりよくなかった<ref name="coolest-bike"/>。そのため、前半は良かったが、後半に行くほど画質やカットの質が下がっていくのを見て、情けない気持ちになったという<ref name="coolest-bike"/>。
 
=== 関連商品 ===
==== 映像ソフト ====
1988年12月のビデオ化にあたり、大友は公開時に不満のあった200ものカットに自ら手を加え、撮影や音響も向上させた。そしてスタッフやキャストの表記を全て英語に置き換えたものが「国際映画祭参加版」としてリリースされた。
 
2000年代に[[DVD]]が台頭・普及したのに合わせて[[デジタルリマスタリング]]が施され、2001年に『AKIRA DVD EDITION』として発売された<ref name="whatsin592427_1">{{cite web|url= https://tokyo.whatsin.jp/592427 |title=『AKIRA』4Kでようやく真価を現す物凄さ、リマスター技術者に聞く「やっとフィルム本来のポテンシャルを全て表現できる」 (1) |author=山下達也(ジアスワークス)|date= 2020-04-15 |accessdate= 2023-01-24|website= WHAT’s IN? tokyo|publisher= [[ソニー・ミュージックエンタテインメント (日本)|ソニー・ミュージックエンタテインメント]]|archiveurl= https://web.archive.org/web/20200513150536/https://tokyo.whatsin.jp/592427 |archivedate= 2020-05-13 }}</ref>。
 
2000年代後半にフルHD(2K)解像度の映像を収録可能な[[Blu-ray Disc]](BD)が登場すると、2009年に再度デジタルリマスタリングが施され、さらなる高画質化を果たした<ref name="whatsin592427_1"/>。
 
BDの後継規格である[[Ultra HD Blu-ray]](UHD BD)の登場に合わせ、2020年に[[4K解像度|4K]]画質による[[デジタルリマスター|リマスター]]版が発売された<ref name="whatsin592427_1"/>。35mmマスターポジフィルムから変換し<ref name="whatsin592427_1"/>、画質の向上に加えて山城祥二の指揮のもとに5.1ch音源のリミックスを実施<ref>{{Cite web|date=2020-04-02|url=https://v-storage.bnarts.jp/anime/etc-anime/133580/|title=「AKIRA」4KリマスターがIMAX®で4月3日(金)より上映開始!|website=V-STORAGE(ビー・ストレージ)|publisher=株式会社[[バンダイナムコアーツ]]|accessdate=2020-10-04}}</ref><ref>{{Cite web|author=石井誠(いしいまこと)|date=2020-04-02|url=https://v-storage.bnarts.jp/report/135177/|title=4月24日「AKIRA 4Kリマスターセット」発売記念! 4月3日上映開始「AKIRA 4Kリマスター」IMAX®体験レポート|website=V-STORAGE(ビー・ストレージ)|publisher=株式会社[[バンダイナムコアーツ]]|accessdate=2020-10-13}}</ref><ref>{{Cite web|author=鳥居一豊|date=2020-04-23|url=https://online.stereosound.co.jp/_ct/17359020|title=【4K AKIRAは音が凄い!】『AKIRA 4Kリマスターセット』でますます進化したサウンドの秘密を公開!! “ハイパーソニック・ペガサス”プロセスでさらに高まった音のリアリティー|website=Stereo Sound ONLINE|publisher=株式会社ステレオサウンド|accessdate=2020-10-13}}</ref>。
 
{| class="wikitable" style="font-size:small"
|-
! タイトル
! 発売日
! 規格
! 規格品番
! レーベル
! 備考
|-
| rowspan=4| AKIRA
|1988年11月29日
| [[VHS]]
| BES-320
|[[バンダイビジュアル]]
|rowspan=4|
|-
|1988年12月15日
| [[レーザーディスク|LD]]
| SF070-1550
|[[パイオニアLDC]]
|-
|1989年6月25日
| [[S-VHS]]
| BSES-001
| rowspan=3| バンダイビジュアル
|-
|1993年6月21日
| VHS
| BES-899
|-
| AKIRA DVD SPECIAL EDITION
|2001年10月25日
| [[DVD]]×2
| BCBA-1025
|オリジナル音声のほかに効果音が一新された5.1chサウンドの新規リミックス版の音声も新たに収録し、特典デスクに絵コンテの縮刷版も封入。
|-
| rowspan=2|AKIRA DTS sound edition
| rowspan=2|2002年12月21日
| DVD×2<br>(初回限定版)
| PIBA-1267
| rowspan=2|パイオニアLDC
| rowspan=2|5.1chリマスター音声を[[DTS (サウンドシステム)|DTS]]で収録。
|-
| DVD<br>(通常版)
| PIBA-1268
|-
| rowspan=2|AKIRA
| 2009年2月20日
| [[Blu-ray Disc|BD]]
| BCXA-0001
| rowspan=2|バンダイビジュアル
|
|-
|2011年6月22日
| BD
| GNXA-1005
| [[NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン]]
|-
| AKIRA DTS sound edition
|2011年6月22日
| DVD
| GNBA-1328
| NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
|
|-
| AKIRA 4Kリマスターセット
|2020年4月24日
| 4K Ultra HD BD×1+2BD×2<br>(特装限定版)
| BCQA-0009
|バンダイナムコアーツ
|-
| AKIRA 4K REMASTER EDITION
|2021年7月23日
| 4K Ultra HD BD+BD
| GNXA-2100
| NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
|}
==== 音楽ソフト ====
{| class="wikitable" style="font-size:small"
|-
! アーティスト名
! タイトル
! 発売日
! 規格
! 規格品番
! レーベル
! 備考
|-
| rowspan=2|芸能山城組
| rowspan=2| AKIRA Original Motion Picture Soundtrack
|1988年10月10日
| rowspan=2| CD
| VDR-1538
| rowspan=2| <div class="NavFrame" style="clear:both;border:0;">
<div class="NavHead" style="text-align:center;"> 収録曲 </div>
<div class="NavContent" style="text-align:left;">
# KANEDA(9:58)
# TETSUO I(12:37)
# TETSUO II(12:34)
# AKIRA(7:58)
</div></div>
| rowspan=2| Victor Entertainment
| rowspan=2|サウンド・プロデュースは山城祥二、演奏は未来派音楽集団、芸能山城組が担当。
|-
|2001年10月24日
| VICL-60711
|}
 
=== 地上波テレビ放送 ===
1990年代に何度か放送された。2000年代に入ると、大友の監督作品『[[スチームボーイ]]』の公開にあわせて2004年7月10日に[[TBSテレビ|TBS]]で、大友が参加した[[オムニバス映画]]『[[SHORT PEACE]]』の公開にあわせて2013年に[[TOKYO-MX|TOKYO MX]]と[[テレビ大阪]]で放送された<ref>{{Cite web|url=https://gigazine.net/news/20130712-akira-on-tv/ |title= 「AKIRA」が9年ぶりに地上波でテレビ放送されることに決定|website= [[GIGAZINE]]|publisher=株式会社OSA|date=2013-07-12 |accessdate= 2023-01-24}}</ref>。
 
== 新アニメ化プロジェクト ==