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==== 大・中方位盤 ====
[[File:Houiban.png|thumb|200px|right|伊能忠敬が使用したとされる大・中方位盤。大谷亮吉著『伊能忠敬』(1919) p.322 より。]]
大方位盤と中方位盤は実物が残っていないために詳細は定かではないが、[[渋川景佑]]の書いた『量地伝習録]]』で解説がなされている。それによるとこの方位盤は、脚のついた円形の盤の中央に[[望遠鏡]]を設置したものである。円盤には方位を測るための[[磁石]]が取りつけられるようになっており、また円盤の周囲には、角度が分かるように目盛りのついた真鍮の環が組み込まれている。さらに円盤の上には指標板というものが置かれており、これは望遠鏡と連動して円盤状を回転できるようになっている<ref>[[#渡辺編(2003)|渡辺編(2003)]] pp.149-150</ref>。大方位盤と中方位盤は大きさが異なるだけで、外形や使用方法はほとんど変わらないといわれている。円盤の直径は大方位盤が2尺6寸、中方位盤が1尺2寸である<ref>[[#大谷(1917)|大谷(1917)]] pp.322-323,326</ref>。
 
これらの方位盤は、富士山など、遠くの目標物の方角を測るのに用いられた。円盤内の方位磁針の向きと、真鍮の環に刻まれた北を示す目盛りの向きを合わせてから、望遠鏡を目標物の向きに合わせる。すると、指標板が求める方角を指し示す<ref name="w150">[[#渡辺編(2003)|渡辺編(2003)]] p.150</ref>。