ミズノ
ミズノ(登記上の商号:美津濃株式会社、英: Mizuno Corporation)は、大阪府大阪市住之江区南港北に本社を置く、日本の総合スポーツ用品メーカーである。
大阪本社(ミズノクリスタビル) | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | |
略称 | ミズノ |
本社所在地 |
日本 〒559-0034 大阪府大阪市住之江区南港北一丁目12番35号※1 |
本店所在地 |
〒541-8538 大阪府大阪市中央区北浜四丁目1番23号 |
設立 |
1906年(明治39年)4月1日 (美津濃運動用品株式会社) |
業種 | その他製品 |
法人番号 | 4120001077559 |
事業内容 | スポーツ用品の製造販売・卸売・販売・および各種スケール事業 |
代表者 |
代表取締役社長 水野明人 代表取締役専務執行役員 加藤昌治 |
資本金 | 261億3,700万円(2018年3月31日現在) |
発行済株式総数 | 1億3,289万1,217株 |
売上高 |
連結:150,032百万円 単独:119,778百万円 |
営業利益 |
連結:4,469百万円 単独:3,114百万円 |
純利益 |
連結:2,838百万円 単独:1,015百万円 包括利益:627百万円 |
純資産 |
連結:75,188百万円 単独:68,941百万円 |
総資産 |
連結:128,471百万円 単独:113,048百万円 |
従業員数 |
連結:5,124名(2018年3月31日現在)〔893〕人 単独:1,983〔466〕人※2 |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 |
公益財団法人ミズノスポーツ振興財団 16.03% 美津濃株式会社 6.25% 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社 5.19% ノーザン トラスト カンパニー エイブイエフシー リ ユーエス タックス エグゼンプテド ペンション ファンズ(常任代理人 香港上海銀行東京支店) 3.91% 日本生命保険相互会社 3.21% ザ シルチェスター インターナショナル インベスターズ インターナショナル バリュー エクイティー トラスト(常任代理人 香港上海銀行東京支店) 3.10% 株式会社三井住友銀行 2.49% 美津濃従業員持株会 1.96% 日本マスタートラスト信託銀行株式会社 1.84% |
主要子会社 | 関連会社参照 |
関係する人物 |
水野利八(創業者) 水野健次郎 水野正人(元代表取締役会長) |
外部リンク | https://corp.mizuno.com/jp/ |
特記事項:経営指標は 2011年3月 第84期 有価証券報告書 ※1:東京本社は東京都千代田区神田小川町三丁目22番地に所在。 ※2:従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除いている。)であり、臨時従業員数は〔 〕内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載している。 |
同社の経営理念は「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する。」。コーポレート・メッセージは「THE WORLD OF SPORTS」「明日は、きっと、できる。」「REACH BEYOND」。
概要
創業は1906年(明治39年)4月1日で、長年にわたってスポーツ振興に力を注ぎ、小さなスポーツ大会からオリンピックをはじめとするさまざまな国際大会にいたるまで幅広く協力。世界屈指の総合スポーツ用品メーカーとして、国内外から高い評価を受けている。同じ大阪府に本社を置くデサント、ゼット、エスエスケイ、ザナックス、ヒットユニオン、兵庫県神戸市に本社を置くアシックスと並ぶ関西のスポーツ用品メーカーの一つ。
1976年4月の『キングズゴルフ』開始から2002年3月の『福山エンジニアリング』放送中での帝人への交代までの26年間、毎週土曜日23時台前半の関西テレビ制作・フジテレビ系列で放送されていた番組のスポンサーを担当していたことでも知られる。
美津濃とは、自身の苗字「水野」ではふさわしくないと考えた創業者水野利八が故郷の旧名(美濃)の間に津(実家が木材問屋)を当て、会社に人材が集まり、店が発展した時、子孫以外の人材に立派な才能を持った人が現れるように願いを込めたものである(こうした経緯から、漢字で「美津濃」と書いてもカタカナ表記では「ミヅノ」とならずに「ミズノ」であり、ローマ字表記でも"Miduno"や"Midzuno"ではなく"Mizuno"となっている)。1987年(昭和62年)、社名表記が漢字の「美津濃」からカタカナの「ミズノ」に統一化されている。
幅広い種目のスポーツ用品・ウェアを手掛けており[注釈 1]、中でも野球に関してはイチロー、松井秀喜の二大看板を筆頭にプロ・アドバイザリースタッフが多数存在し、グラブ、スパイクシューズ、バット、バッティンググラブなどの多くの野球用品において圧倒的なシェアを保っている。2011年(平成23年)シーズンからはプロ野球全球団の 統一仕様球 を供給する事となった。また、軟式野球・ソフトボールでは2002年(平成14年)にバット「ビヨンドマックス」を発売。ボールがミートする部分にやわらかい材質がついていて、当たった時にボールが潰れないようにして飛距離を得ることができると評判になり、大ヒット商品になった。
サッカーでは、アディダスやプーマの後塵を拝する形であるが、同社のスパイクシューズ「モレリアII」シリーズはJリーグの選手でも愛用者が多い。参入初期には水島武蔵やカレッカらに愛用された。1993年(平成5年)のJリーグ発足時にはリーグ全チームのリーグ戦用ユニフォームがミズノ製であった[注釈 2]。またリバウドが若い頃から愛用していたこともあり、全盛期には彼の足を科学測定したシューズを作りそれを一般販売するなど広告塔としていた。2015年(平成27年)時点では、徳島ヴォルティス、ヴァンフォーレ甲府、愛媛FCの3チームがミズノ製ユニフォームを採用している。
1965年(昭和40年)に、水着では国際的な知名度を有する英国のメーカー、SPEEDO社とライセンス契約を結び、日本における同社ブランド製品の製造・販売のみならず、SPEEDOブランドグループ全体における最先端技術の開発の役割も担ってきた。しかし、2006年(平成18年)、4月1日に創業100周年を迎えたのを機に、『全商品のブランドを“MIZUNO”に統一する』方針を決定。これに基づき、まだ期間が残っていたライセンス契約を2007年(平成19年)5月31日付で打ち切り、以後は自社ブランドの水着を製造・販売することとなった。なお、ライセンス契約については、三井物産に事実上譲渡(三井物産が改めてSPEEDO社と契約)し、契約切れ後直ちに商品展開。三井物産は商品製造をゴールドウインに委託して日本国内での展開を行っている。
2011年1月17日には関西大学との間で、向こう1年間にわたり、教育・研究・文化の振興、人材育成、スポーツ振興、社会貢献などに関わる連携協定が締結された。この協定に基づき、同学の野球部、アメリカンフットボール部、サッカー部、アイススケート部、アイスホッケー部、陸上競技部の6つの体育会各部に対し、同学体育会の統一名称でもある「カイザー」(ドイツ語で「皇帝」の意)を基調としたデザインのユニフォームが供給されることになった。
第二次世界大戦前・中にはグライダーを自社にて開発・製造しており、1941年には同社の301型「ソアラー」が当時の滞空日本記録となる滞空時間10時間33分30秒(高度3600m)を記録[1][2](島本真の項も参照のこと)。また軍用グライダーの開発も手がけており、代表的な機体に一式標的機などがある。
沿革
- 1906年(明治39年)4月1日 大阪市北区で水野兄弟商店として洋品雑貨及び運動服の製造販売業を創業。
- 1923年(大正12年)7月19日 美津濃運動用品株式会社を設立。
- 1942年(昭和17年)1月 商号を美津濃株式会社に変更。
- 1961年(昭和36年)10月 大阪証券取引所第2部上場。
- 1962年(昭和37年)12月 東京証券取引所第2部に上場。
- 1970年(昭和45年)9月 財団法人水野スポーツ振興会を設立(現在の名称はミズノスポーツ振興会)。
- 1972年(昭和47年)7月 東証第1部、大証第1部に指定替え。
- 1977年(昭和52年)2月 財団法人水野国際スポーツ交流財団を設立(現在の名称はミズノ国際スポーツ交流財団)。
- 1981年(昭和56年)9月 ミズノランバード株式会社を設立。
- 1988年(昭和63年)2月 名古屋証券取引所第1部に上場(2003年4月に名証での上場廃止)。
- 2008年(平成20年)2月 時間外労働の賃金を支払っていなかったとして、大阪南労働基準監督署から是正勧告を受けたと発表[3]。その後の調査で、残業代の不払いが18億6,000万円に達することが明らかとなり、水野明人社長ら役員の報酬を減額[4]。
- 2018年(平成30年)12月 スポーツ振興などで大阪府寝屋川市と[5]、働き方改革などで大阪府と[6]それぞれ連携する協定締結。
商標の変遷
- 1906年(明治39年)・水野兄弟商会の創業時
- 紋所の井ゲタの中心に、「日本一になる」という願いを込め「日」の一文字を入れた「イズ日印」を制定した。
- 1923年(大正12年)・美津濃運動用品の設立時
- 創業時に制定した「イズ日印」をアレンジし、井ゲタの中心に図案化した「日」の字を入れ、井ゲタの外周を「TRADE MARK MIZUNO CO.,LTD.」のロゴで囲った。
- また同時期、優勝カップを模った「VICTORYカップ印」も商標として使用していた。当時の広告では「弊社製品は、運道具にカップ印、運動服装にイヅヒ印商標を付して絶対優良を期し、もってその責任を明らかにす」と銘打っていた。
- 1952年(昭和27年)・英字ロゴ
- 創業者の水野利八、二代目の水野健次郎のイニシャルを配した「R.K.Mizuno」。
- 1950年代後半のロゴ
- 漢字表記による「美津濃」のロゴを採用。のちに「美津濃スポーツ」のロゴも作成された。
- 1959年(昭和34年)に「VICTORYカップ印」をモデルチェンジ。様々なアイテムに付けられた他、上述の「美津濃」のロゴと併せて店頭ポスターやテレビCM、広告でも幅広く使用された。
- 1969年(昭和44年)・英字ロゴ
- ブロック体で図案化した「MIZUNO」。漢字ロゴ・カップ印と共に使用された。
- 1980年(昭和55年)・CI導入
- コーポレートアイデンティティ(CI)を導入。ブルー系の色で統一されたワードマーク「MIZUNO」と、頭文字の「M」から採ったモノグラムの「Mマーク」が制定された。
- 1983年(昭和58年)・ランバードライン
- それまで「Mライン」で親しまれていたスポーツシューズのラインマークを一新し、宇宙の惑星軌道をモチーフにスポーツの躍動感や広がりを表現した「ランバードライン」が登場した。
- 1997年(平成9年)・ミズノランバード
関連会社
連結子会社
- ミズノテクニクス(岐阜県養老郡養老町)(スポーツ用品販売事業)
- ミズノインダストリー四国(高知県長岡郡大豊町)(スポーツ用品販売事業)
- ミズノインダストリー波賀(兵庫県宍粟市)(スポーツ用品販売事業)
- ミズノインダストリー阿山(三重県伊賀市)(スポーツ用品販売事業)
- ミズノインダストリー氷上(兵庫県丹波市)(スポーツ用品販売事業)
- ミズノランバード(兵庫県宍粟市)(スポーツ用品販売事業)
- MIZUNO USA, INC.(アメリカ・ジョージア州)(スポーツ用品販売事業)
- MIZUNO CANADA LTD.(カナダ・オンタリオ州)(スポーツ用品販売事業)
- MIZUNO (TAIWAN) CORPORATION(台湾・台北)(スポーツ用品販売事業)
- MIZUNO CORPORATION OF HONG KONG LTD.(香港)(スポーツ用品販売事業)
- SHANGHAI MIZUNO CORPORATION LTD.(中華人民共和国・上海)(スポーツ用品販売事業)
- MIZUNO(CHINA)CORPORATION LTD.(中華人民共和国・上海)(スポーツ用品販売事業)
- ミズノウエルネス(大阪市中央区)(その他事業)
- ミズノアベール(大阪市中央区)(その他事業)
- ミズノアルファーサービス(東京都千代田区)(その他事業)
- セノー(千葉県松戸市)(体操器具製造販売)
保有するクラブチーム
ミズノは自らもクラブチームを有する。その最大の目的は、商品開発に欠かせない各種データを収集することである。陸上競技だけだったが、2007年(平成19年)、水泳用品も自社展開することになり水泳部も発足させた。
MTC(ミズノトラッククラブ)[8]
ミズノ社の正式な陸上部である。
- 主要所属選手(2019年)
- 主なOB/OG
チームミズノアスレティック
ミズノがサポートを行っている陸上競技選手の集まりであり、前述のMTCと異なり所属者はミズノ社員ではない。松下祐樹や中村太地など、このチームに参加していた選手がMTCに所属するようになることもある。
- 主要参加メンバー(2018年)
-
- 芝田陽香(短距離障害走)
ミズノスイムチーム[9]
2007年(平成19年)6月の水泳用品自社展開開始に合わせて発足したミズノの正式な水泳部。他にも多くの 外部契約選手 を擁する。
- 主なOB/OG
チームサプライ契約
- 日本プロ野球
- 広島東洋カープ(ホーム用)[注釈 3]
- 阪神タイガース
- 北海道日本ハムファイターズ
- 中日ドラゴンズ(2018年 - )
- 千葉ロッテマリーンズ(2020年 - )
- 東北楽天ゴールデンイーグルス(2020年 - )
- 韓国プロ野球
- 中華職業棒球大聯盟
- プロサッカーJリーグ
- プロバスケットボールBリーグ
- バドミントンS/Jリーグ
協賛イベント
- ゴルフトーナメント
- 全英への道 ミズノオープン
- 賢島女子オープンミズノクラシック(現・LPGAジャパンクラシック)
- 大阪国際女子マラソン - 協力・スポンサーの1社(1982年~2012年)
- 世界陸上競技選手権
- 箱根駅伝
CM
元々は「キングズゴルフ」から20年以上に渡り、在阪局の関西テレビと非常に強固な関係を持ち、1976年4月から関西テレビ制作でフジテレビ系列の土曜23時台前半で一社提供枠を持っていた。特に『クイズDEデート』や『新・パンチDEデート』、『ねるとん紅鯨団』、『とんねるずのハンマープライス』といった視聴者参加型番組がこの枠からヒット。特に『ねるとん紅鯨団』と『とんねるずのハンマープライス』、後番組『JAPAN BOYS』の司会をしていたとんねるずは、この枠で11年半にわたって出演するとともに、ミズノのCM[注釈 4] にも出演していたことがある。 EDの提供読みは実際のミズノのCMのサウンドロゴを用いるという斬新なスタイルとなっていた。 とんねるずが司会を降板した1999年春以降も、同枠はスポーツバラエティー番組を制作・放送していたが、『福山エンヂニヤリング』放映中の2002年(平成14年)3月末を最後に、一社提供を帝人に譲ってスポンサーから降板した。2015年現在ではレギュラーとしてのスポンサーは『ダイヤのA』(テレビ東京系列)のみであるが、スポーツ中継などで契約アスリートの出演するCMを流すことがある。
2012年より吸湿発熱素材「ブレスサーモ」のイメージキャラクターに米村でんじろうが起用された。
2012年よりランニングブランド「ミズノランニング」のイメージキャラクターに柴咲コウが起用された。
スポンサー番組
KTV大阪本社制作
KTV東京支社制作
- 上海紅鯨団が行く
- ねるとん紅鯨団(一部地区ではスポンサー差し替えorミズノを含む複数社提供だった)
- とんねるずのハンマープライス(同上)
- JAPAN BOYS
- Sports Party ただいま夢中!
- S-FIELD
- ファイトマネー
- スゴ腕!バウト
- 福山エンヂニヤリング(途中降板)
その他(過去も含む)
CM出演者
脚注
注釈
出典
- ^ 17.美津濃式301型 - 滑空史保存協会
- ^ 歴史 - ミズノ
- ^ [1][リンク切れ]
- ^ [2][リンク切れ]
- ^ 「ミズノ・寝屋川市が協定 スポーツ振興など5項目」『日刊工業新聞』2018年12月11日(建設・エネルギー・生活面)2019年4月7日閲覧。
- ^ 「ミズノと大阪府、働き方改革などで包括連携協定」『日刊工業新聞』2018年12月13日(地域経済面)2019年4月7日閲覧。
- ^ 野球品ロゴに<ランバード>使用 / ミズノグラブの歩み - 公式サイト、2012年6月14日
- ^ “選手情報|陸上競技”. ミズノ. 2019年6月9日閲覧。
- ^ Corporation, Mizuno「選手情報│スイム│ミズノ」『』。2018年8月23日閲覧。
関連項目
- ミズノスポーツメントール賞
- ミズノスポーツライター賞
- 六車卓也
- 鈴木正人 (1977年生のサッカー選手)
- ウイニングイレブン - ウイニングイレブン2011のデータパック第2弾でミズノのサッカーシューズが初めて再現された。
- ワイシャツ - 西日本における「カッターシャツ」という名称は、ミズノの商標が一般化したものである。
- 大阪国際女子マラソン - 第1回(1982年)から第31回(2012年)まで協賛。第32回(2013年)以降はデサントが担当。
- 大阪マラソン - 第1回(2011年)より協賛。
- はねバド! - アニメ版において、取材協力・協賛企業として参加し、作品とのコラボレーションも行っている。また、作中にミズノ関連のスポーツ用品・ロゴが多数登場する。
- 陸王 - 劇中に登場するランニングシューズを特注品として制作。
- ダイヤのA - アニメ版において、制作協力・番組スポンサーとして参加し、作品とのコラボレーションも行っている。また、作中にミズノ関連のスポーツ用品・ロゴが多数登場する。
外部リンク
- ミズノ
- ミズノ企業概要
- 公益財団法人 ミズノスポーツ振興財団
- 契約選手情報
- ミズノトラッククラブ
- ミズノスイムチーム
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