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「携帯型ゲーム」の版間の差分

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'''携帯型ゲーム'''('''けいたいがたゲーム''')とは、大きく分けて
[[File:Game-Boy-FL.png|thumb|[[任天堂]]の初代[[ゲームボーイ]]([[1989年]])]]
{{コンピュータゲームのサイドバー}}
'''携帯型ゲーム'''(けいたいがたゲーム)は携帯可能なサイズに小型化された[[ゲーム機|家庭用ゲーム機]]である'''携帯ゲーム機'''{{R|PortableGame}}({{lang-en-short|Handheld Game Console}})において動作する[[ゲームソフト]]や市場全般を指す分類<ref name=PortableGame>[http://www.sophia-it.com/content/%E6%90%BA%E5%B8%AF%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E6%A9%9F 携帯ゲーム機とは]</ref>。'''携帯用ゲーム'''<ref>「[https://archive.is/20120708215237/http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0/ コンピュータ・ゲーム](2012年7月8日時点の[[archive.is|アーカイブ]])」 [[Yahoo!百科事典]]([[日本大百科全書]])、2010年10月30日閲覧。</ref>とも呼ばれる。また携帯ゲーム機は'''携帯型ゲーム機'''および'''携帯用ゲーム機'''{{R|PortableGame}}とも呼ばれる。


[[スマートデバイス]]などの[[携帯機器]]は含まれないことが多く、ソフト内蔵型のいわゆる[[電子ゲーム]]は「含む」「含まない」に分かれる場合もある。
#[[コンピュータゲーム]]における[[コンシューマーゲーム]](*1)の中の一分類。
#*具体的には、コンシューマーゲームのうち携帯(*2)可能なサイズに小型化された[[ゲーム機]]及び専用[[ゲームソフト]]の市場全般を指す分類である。
#*また単に携帯可能なゲーム機又は専用ゲームソフトそのもの及びその両方を指すこともある。
#*よく[[テレビゲーム]](*3)の対義語として用いられる。
#携帯可能なサイズの[[ゲーム]]の道具(上記(1)のような携帯コンピュータゲーム機ではない)を用いた遊び。[[トランプ]]遊びや携帯用サイズに縮小されたマグネット式の[[将棋盤]]による[[本将棋]]等がある。携帯コンピュータゲーム機が登場する1990年頃まで、グループ旅行などで、列車車中や宿泊先などでプレイされていたことが多い。
#上記の遊びに用いるゲームの道具そのもの。


== 歴史 ==
ここでは、主に(1)について説明する。
{{Main|コンピュータゲームの歴史}}


[[1976年]]に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]において[[マテル]]が世界初の携帯型[[電子ゲーム]]機「[[Mattel Auto Race]]」を発売した。同社が翌[[1977年]]に発売した『Mattel Football』はヒット商品となり、各社から様々な製品が登場した。その一部は日本にも輸入された他、日本国産のものも各種登場した。[[1980年]]に発売された[[任天堂]]の「[[ゲーム&ウオッチ]]」シリーズは日本国内1,300万台と大ヒット商品となった<ref name="jetro">{{PDF|[https://web.archive.org/web/20110409150200/http://www.jetro.go.jp/jfile/report/05001299/05001299_001_BUP_0.pdf 日本貿易振興機構 - 日本のテレビゲーム産業の動向]}}(2011年4月9日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。
*(*1)家庭で遊ぶことを想定したコンピュータゲーム。
*(*2)簡単に持ち運ぶことができることができるの意。以下の説明においても同じ。
*(*3)ここでは広義の「テレビを使用したコンピュータゲーム+携帯型ゲーム」ではなく、狭義の「テレビを使用したコンピュータゲーム」を意味する。以下の説明においても同じ。


当時は電子ゲームと呼ばれる携帯型ゲームが主流だった。これは[[ゲームソフト]]自体が本体の内蔵部品に書き込まれており、別のゲームソフトが必要になったときには本体も含めて新しいものを購入しなければならなかった。表示装置も登場人物などの形状の点滅箇所があらかじめ決められている程度の今から見ればごく簡易的なものだった。[[1979年]]に[[ロムカセット|カートリッジ]]交換式であり、メディア交換型の携帯型ゲーム機としては世界初である「[[Microvision]]」が[[w:Milton Bradley Company|Milton Bradley Company]]社から発売される。日本においては1985年に登場した「[[ゲームポケコン]]」が初のカートリッジ交換式ゲーム機である。
==特徴と傾向==
*携帯用途のためゲーム機本体が小型。
*ゲーム機に表示装置が内蔵されており、使用されている表示装置が[[液晶ディスプレイ]]。
*ゲーム機の電源は小型の[[電池]]。
*ゲーム機本体および専用ゲームソフトが比較的安価なものが多い。
*ゲーム機に使用されている[[CPU]]などの電子部品はテレビゲームやパソコン向けのものより小型なものを使用している。そのためテレビゲーム機及びパソコンの部品と比較するとその性能は劣る面が多い。しかし高性能の携帯型ゲーム機の登場によりその差は縮まろうとしている。
*ゲーム機の能力の都合上三次元的な物体の表現に対応しているソフトが少ない。そのため平面的空間表現のゲームソフトが主流。しかしこの点についても高性能の携帯型ゲーム機の登場により解消の方向に向かいつつある。
*ちょっとした時間に遊ぶことが多いため、ゲームのルールや操作方法がすぐに理解できるゲームソフトが比較的多い。
*自宅だけでなく外出先でも利用することがある。
*テレビゲームは家族と共同で所有しているケースも多いが、携帯型ゲームはたいてい一人で専有している。
*個人でのゲーム機本体やソフトウェアの専有意識があることから、通信機能を利用し通信対戦や[[キャラクター]]の交換などにより他者とのコミュニケーションをとることのできる機能を盛り込んだソフトも多い。


[[1989年]]に任天堂が発売した「[[ゲームボーイ]]」は安価な本体価格と熱中度の高い『[[テトリス]]』の効果で売り切れが続出するほど爆発的にヒットした<ref name="jetro" />。そこそこの性能で安価・軽量であり、乱暴に扱われがちな携帯機器(児童向け[[玩具]])にあって足元に落下させた程度では簡単には破損しない丈夫さや電池切れを余り気にせず利用できた<ref>[http://newsphere.jp/entertainment/20140422-4/ “ソーシャルゲームの先駆者” ゲームボーイ発売25周年を迎え、海外メディア改めて絶賛]</ref>。1990年代半ばに入ると売上が頭打ちとなり、一時市場から姿を消す寸前までになるが『[[ポケットモンスター 赤・緑]]』を発売後、小学生を中心に広がり売上ランキングで1年以上に渡り上位にランクインし続ける大ヒットとなる。それをきっかけに市場は活気を取り戻し『[[マリオのピクロス]]』などがスマッシュヒットした。[[スーパーゲームボーイ]]は[[スーパーファミコン]]を利用してゲームボーイのゲーム画面をテレビに表示させる形式を取ることで、当時のカラー液晶画面が抱えていた欠点の改善を図ったものである。また、据え置き型ゲームとのデータ連動を実現させる[[64GBパック]]、[[携帯電話]]と接続したネットワークサービスを受けられる[[モバイルアダプタGB]]など従来にはなかった遊び方も示されるようになった。
==利用者について==
[[パソコンゲーム]]もしくはテレビゲームの利用者と携帯型ゲーム機の利用者は必ずしも一致しない。どちらかというと携帯型ゲームは、学校の友達同士でゲーム交換をすることの多い子供たちや、表現力多彩な物よりも平面的空間表現のゲームソフトの方が好きな人たち、ちょっとした空き時間の息抜きを求めている人たちに利用者が多い。また電源を入れれば、その瞬間に利用可能な機器も多い事から、他の用事(調理や洗濯といった自動化され断片的に空き時間の空く家事や、[[排泄|用便]]中や寝入り端等の注意力が散漫になっても差し障りの無い生理現象が起きている間)の片手間に利用する向きもある。


ソフトウェア内蔵型の電子ゲームについては、いわゆる「[[テトリス|ミニテトリス]]」といった[[キーホルダー]]大の商品や、[[1996年]]に[[バンダイ]]の『[[たまごっち]]』が10代の女性を中心に大ヒットし[[社会現象]]にまで発展した。その後も[[ハドソン]]の『[[てくてくエンジェル]]』、任天堂の『[[ポケットピカチュウ]]』を初めとする[[歩数計]]と一体化した機種などが発売された。
このためメーカー側はその様な事情に配慮した物を発売する傾向が見られ、一回のプレイ時間が極めて短い物や、随時状態を保存(セーブ)して電源を切れる物、または常に電源は入りっぱなしで、操作が無い時は状態に変化が起こらない物などが好まれる傾向にある。


しかし2010年代には[[スマートフォン]]の普及により携帯ゲーム機市場は衰退に向かった。また米国のように、もともと据え置き機やPCゲームが人気の市場もある<ref>[http://www.zaikei.co.jp/article/20130717/141128.html 米国ではゲーマーの多くが据え置き型ゲーム機やPCでゲームを楽しんでいる]</ref><ref>[http://www.gamecast-blog.com/archives/65747932.html ゲーム機の覇権はiOSへ…? 2013年のQ1、iOS単体のゲーム売り上げが専用携帯ゲーム機の合計を上回る]</ref>。その一方で[[Steam Deck]]のような携帯型ゲーミングPCや「携帯可能な据え置き機」として作られた[[Nintendo Switch]]などの新しい動きも出ている。
しかしその一方で、ゲームの状態によって随時操作を積極的に要求する(ただし一回の操作は数秒程度で終わってしまう)内容の物も存在し、これらは「[[ペット|生き物を世話する]]」事を擬似的に体験させる物に多い。その様な物では、随時ペットを持ち歩くような事に等しくなるため、これにまつわる事故が発生しやすいと言えよう。[[1990年代]]に異常なまでの流行を見せた[[たまごっち]]では、下は幼稚園児から上は社会人まで幅広い利用者が見られたが、しまいには他の要件が度々これらゲーム機からの操作要求によって中断される等の現象も招き、学校や企業内において携帯ゲーム機の禁止令が出されるなどの混乱を招いている。


== 年表 ==
利用者に積極的な使用を促さない(受動的な)内容の物と、積極的に使用する事を求める(能動的な)物とでは、その在り様の差から、利用者に一定の違いが見られ、また一人で遊ぶ内容か、それともコミュニケーションツールとして利用できるかによっても、やはり一定の違いが見られる。
{{Main|ゲーム機|ゲーム機一覧}}
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* [[1980年]]
** [[ゲーム&ウオッチ]]([[任天堂]])
* [[1985年]]
** [[ゲームポケコン]]([[エポック社]])
* [[1989年]]
** [[ゲームボーイ]](任天堂)
** [[Atari Lynx]]([[アタリ (企業)|アタリ]])
* [[1990年]]
** [[ゲームギア]]([[セガ]])
** [[PCエンジンGT]]([[日本電気ホームエレクトロニクス|NECホームエレクトロニクス]])
* [[1996年]]
** [[ゲームボーイポケット]](任天堂)
* [[1998年]]
** [[ゲームボーイライト]](任天堂)
** [[ゲームボーイカラー]](任天堂)
** [[ネオジオポケット]]([[SNK (1978年設立の企業)|SNK]])
** [[ドリームキャスト|ビジュアルメモリ]](セガ)
* [[1999年]]
** [[ネオジオポケットカラー]](SNK)
** [[ワンダースワン]]([[バンダイ]])
** [[PocketStation]]([[ソニー・コンピュータエンタテインメント]])
* [[2000年]]
** [[ワンダースワンカラー]](バンダイ)
* [[2001年]]
** [[ゲームボーイアドバンス]](任天堂)
** [[ポケモンミニ]]([[ポケモン (企業)|ポケモン]])
* [[2002年]]
** [[スワンクリスタル]](バンダイ)
* [[2003年]]
** [[ゲームボーイアドバンスSP]](任天堂)
* [[2004年]]
** [[PlayStation Portable]](ソニー・コンピュータエンタテインメント)
** [[ニンテンドーDS]](任天堂)
* [[2005年]]
** [[ゲームボーイミクロ]](任天堂)
* [[2006年]]
** [[ニンテンドーDS Lite]](任天堂)
* [[2008年]]
** [[ニンテンドーDSi]](任天堂)
* [[2009年]]
** [[PlayStation Portable go]](ソニー・コンピュータエンタテインメント)
** [[ニンテンドーDSi|ニンテンドーDSi LL]](任天堂)
* [[2011年]]
** [[ニンテンドー3DS]](任天堂)
** [[PlayStation Vita]](ソニー・コンピュータエンタテインメント)
* [[2012年]]
** [[ニンテンドー3DS|ニンテンドー3DS LL]](任天堂)
* [[2014年]]
** [[Newニンテンドー3DS]](任天堂)
** [[Newニンテンドー3DS|Newニンテンドー3DS LL]](任天堂)
* [[2016年]]
** [[ニンテンドー2DS]](任天堂)
* [[2017年]]
** [[Nintendo Switch]](任天堂)※ハイブリッドゲーム機
** [[Newニンテンドー2DS LL]](任天堂)
-->


== 特徴と傾向 ==
==進化の歴史==
[[ゲーム機]]を考察する上でテレビを使用した据え置き型の[[テレビゲーム]]機とは対比される。携帯用途のため本体が小型で持ち運びしやすい。自宅だけでなく外出先でも容易に利用できる。コントローラが本体に一体化している。表示装置が内蔵されている。もっぱら[[液晶ディスプレイ]]が用いられる。[[PlayStation Portable|PSP]]のうち、PSP-2000/PSP-3000型および[[PlayStation Portable go|PSP go]]はテレビに接続し、映像を出力させることもできる。PSPでは[[ユニバーサル・メディア・ディスク|UMD]]を採用しているが、ゲームソフトのメディアは[[ロムカセット|ROMカートリッジ]]を用いるものが多い。ソフトがハードに内蔵されて取り替えられなかったりデータ転送で外部から読み込むなど、本体がメディアを兼ねるものもある。PSPの[[メモリースティック|メモリースティック PRO Duo]]、[[ニンテンドー3DS]]の[[SDメモリーカード]]など内蔵の[[メモリーカード]]にデータを書き込めるのもあり、[[メモリーカードリーダライタ]]と[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]を接続することでセーブデータや写真などを取り込み、[[バックアップ]]できるものもある。[[動画]]・[[画像|静止画]]・[[音楽]][[鑑賞]]、[[ビデオ・オン・デマンド]]、[[電子ブックリーダー]]、[[インターネット]]閲覧([[ウェブブラウザ]])など[[デジタルメディアプレーヤー]]/[[ポータブルメディアプレーヤー]]の機能も持つようになった<ref>[https://web.archive.org/web/20151109032124/http://www.jp.playstation.com/psvita/hardware/application/index.html アプリケーション](2015年11月9日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref><ref>[http://www.jp.playstation.com/psvita/remoteplay/ PS4のポータブル版がついに登場!?]</ref>。
携帯型ゲームは、[[ハードウェア]]と密接に関係して進化してきた。


消費電力の少ない電子部品を使用している。そのため同時期のテレビゲーム機と比較すると性能は劣るが、その差は以前よりは縮まっている。電源は[[電池]]。初期の小型機では[[ボタン型電池]]または[[乾電池]]が主流であったが、性能の向上により消費電力が増大してきたため、[[2000年代]]以降は専用の[[二次電池|バッテリー]]([[リチウムイオン二次電池]])を用いるのが主流となった。[[PlayStation Portable go|PSP go]]・[[PlayStation Vita|PS Vita]]は本体にバッテリーが内蔵され、ユーザーの手で交換することができない。
家庭向けのコンピュータゲームであることを前面に押し出して発売し、初めてヒットしたのは、[[1980年]]に発売された[[任天堂]]の「[[ゲーム&ウォッチ]]シリーズ」であった。しかし当時の携帯型ゲームはゲームソフト自体が本体の内蔵部品に書き込まれているため、別のゲームソフトが必要になったときには、本体も含めて新しいものを購入しなければならなかった。また表示装置も登場人物などの形状の点滅箇所があらかじめ決められている程度の今から見ればごく簡易的なものであった。


本体およびソフトが、同時期に発売されたテレビゲーム機と比較すると安価なものが多い。テレビゲームは家族と共同で所有しているケースも多いが、携帯型ゲームは本体・ソフトともたいてい一人で専有している。ちょっとした時間に遊ぶことが多いため、ゲームのルールや操作方法がすぐに理解できるゲームソフトが比較的多い。個人での本体やソフトウェアの専有意識があることから、通信機能を利用し、対戦や[[キャラクター]]の交換などにより、他者との[[コミュニケーション]]をとることのできる機能を盛り込んだソフトも多い。
その後10年ほどはこのようなタイプの携帯型ゲームが主流であった。


== 脚注 ==
;ゲームボーイ : [[1989年]]になると任天堂は当時圧倒的に普及していたテレビゲーム機[[ファミリーコンピュータ]]と同様に、ゲームソフトを記憶したカートリッジを交換して使用する携帯型ゲーム機「[[ゲームボーイ]]」を発売。安価な本体価格の設定と、熱中度の高いゲームソフト「[[テトリス]]」の効果で爆発的にヒットした。液晶も縦横に点を配列した方式のものを採用したことによりさまざまなゲームを遊ぶことを可能にした。これにより今日的な携帯型ゲームの原型となった。
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}


== 関連項目 ==
;Atari Lynx : [[1989年]]に米[[アタリ (ゲーム)|Atari]]社より発売されたこのカラー液晶ディスプレー搭載の[[Atari Lynx]]は、他社製品のハードウェアを遥かに超える性能を持ち、米国内で一定の評価を得ると共に、日本国内にも輸入された。しかし電池の持ちは他社製品に比べるまでも無く悪く(あるゲームでは一つの条件をクリアする前に電池切れを起こす程だった)、米国内のヘビーゲーマーを対象としたこのゲーム機は、熱狂的な極小数のファンを獲得した物の、日本を含む米国外では今一つ評価されなかった。結果的にその市場性の無さによって次第に姿を消していった。
* [[日本におけるゲーム機戦争]]
* [[携帯電話ゲーム]]
* [[家庭用ゲーム機]]
* [[Nintendo Switch]] - 公式には据置型ゲーム機とされているが、携帯型ゲーム機の特徴も併せ持つ。なお、後に登場した[[Nintendo Switch Lite]]は一部の機能をオミットして携帯専用に仕立てたもので、公式にも携帯型ゲーム機とされている。


{{Video-game-stub}}
;ゲームギア : [[1990年]]には[[セガ]]からカラー液晶ディスプレーを搭載した携帯型ゲーム機[[ゲームギア]]が発売。しかし、ゲームボーイに比べ本体価格が高かったことに加え、当時のカラー液晶ディスプレーは消費電力が大きく電池の持続時間が短かったこともあり消費者の幅広い支持は得られなかった。
{{コンピュータゲームのジャンル}}
{{Computer sizes}}


{{DEFAULTSORT:けいたいかたけえむ}}
ゲームボーイの普及は、そこそこの性能で安価・軽量であり、また乱暴に扱われがちな携帯機器(児童向け[[玩具]])にあって、足元に落下させた程度では簡単には破損しない丈夫さが愛好者を増やした要因ともいえよう。特に対応ソフトウェアの幅広さに加え、電池切れを余り気にせず何処でもすぐに利用できた点でも、同機種は長く愛好された。特に携帯ゲーム機にあっては取扱説明書を常に携行する訳にも行かない事もあり、単純なルールの物が当初好まれたが、その様なソフトウエアが用意される一方で、じっくり腰を据えて遊ぶ物も用意されていた点は、幅広い支持を得るのに役立ったと思われる。
[[Category:携帯型ゲーム機|*]]

[[Category:情報機器]]
その後、携帯型ゲームの所持者からはカラー液晶ディスプレーを搭載し、なおかつ電池の持続時間の長い次世代の携帯型ゲーム機を望む声も徐々に増えてくるが、これらの要求を満足する携帯型ゲーム機は発売されなかったため、一時はゲームボーイも市場から姿を消す直前までになる。

そんな状況に陥りつつあった[[1996年]]、携帯型ゲーム市場に新たなヒット商品が誕生する。[[バンダイ]]の「[[たまごっち]]」、「ミニテトリス」といったキーホルダー大の商品である。とくにたまごっちは今まではゲームとは縁の遠い存在だった10代の女性を中心に大ヒット。社会現象にまで発展した。愛らしいキャラクター、とても小さくどこへでも携帯可能であったこと、カラフルな本体デザインなどが支持を集めた理由であった。その後も[[ハドソン]]の「てくてくエンジェル」、任天堂の「ポケットピカチュウ」を初めとする万歩計ゲーム、[[ソニー・コンピュータエンタテインメント]]の「[[ポケットステーション]]」等のテレビゲーム用の記録[[メディア (媒体)|メディア]]に小型の液晶ディスプレーをつけたものなどが発売された。

1996年はカートリッジを交換するタイプの携帯型ゲーム機にとっても大きな年となった。任天堂はこの年「[[ポケットモンスター]]」を発売。次第に小学生を中心に広がり大ヒットすることとなる。それをきっかけにゲームボーイ市場は活気を取り戻し、[[1998年]]には念願のカラー液晶ディスプレー搭載モデルも発売することとなった。[[1999年]]にはバンダイの「[[ワンダースワン]]」等の性能の高いライバル機も発売され、任天堂の独占状態となりつつあったカードリッジ式の携帯型ゲーム機市場に競争が起こった。

[[2001年]]、任天堂はゲームボーイの後継モデル「[[ゲームボーイアドバンス]]」を発売。それまでのゲームボーイにはファミリーコンピュータ時代のテレビゲーム並のゲームソフトが多かったが、これにより[[スーパーファミコン]]と比較しても見劣りしない作品が作られることとなった。そのため瞬く間に他社の携帯ゲーム機は市場から姿を消すこととなった。

ゲームボーイアドバンスにはファミリーコンピュータ、スーパーファミコンからのリメイク・続編が多く発売されている。[[2004年]]にはファミリーコンピュータの初期の作品をゲームボーイアドバンスに移植した[[ファミコンミニ]]シリーズも登場した。また、任天堂のテレビゲーム機[[ニンテンドーゲームキューブ]]の操作用コントローラーとしてゲームボーイアドバンスを利用するタイプのテレビゲームの試みも行われている。

また、1999年頃から、[[携帯電話]]専用のコンピュータゲームも登場し始めた。これらのゲームソフトは[[iモード]]などの携帯電話会社の提供する[[インターネット|ネットワーク]]サービスを通じて[[ダウンロード]]して使用する。これらに提供されるゲームソフトもまた本体の内蔵部品の技術革新により画面表現能力が向上しつつある。そのため携帯電話を利用した携帯型ゲームも広く普及する方向に向かいつつある。

==新たな動き==
最近の携帯ゲームには新たな動きが起こっている。これらの登場により携帯ゲームは新たな時代に突入しようとしている。

*任天堂は[[2004年]][[12月2日]]に携帯型ゲーム機「[[ニンテンドーDS]]」を発売した。ディスプレーが上下に2つ並んでいるのが特徴的である。そのうち下の画面は[[タッチパネル]]としても利用可能で画面を専用ペン等でさわると操作ができる。この特徴を利用した新たなタイプのゲームソフトも登場予定である。またこの画面にキーボードを表示し[[チャット]]のできる機能もある。その他の特徴としては同社の[[NINTENDO64]]以上の三次元的物体表現能力や、[[無線通信]]機能があげられる。また、ゲームボーイアドバンス専用ソフトも利用できる。11月23日には、[[64DD]]以来の新型オンラインシステム「ニンテンドーWi-Fiコネクション」がスタート。各地のおもちゃ屋においてあるWi-Fiステーション(試遊台を兼ねる)にいけば特に設定をすることなく接続でき、任天堂製のソフトは原則無料であるという敷居の低さが特徴で、対応ソフトも大ヒットを記録している。
*[[ソニー・コンピュータエンタテインメント]]も高性能な携帯型ゲーム機「[[プレイステーションポータブル]]」を[[2004年]][[12月12日]]に発売。三次元的物体表現能力が同社の[[プレイステーション2]]並みに優れている。ソフトウェアのメディアには[[Universal Media Disc|UMD光ディスク]]を採用している。このゲーム機用のソフトウェアはゲームソフトだけでなく専用の音楽ディスクや映像ディスクも発売されることになっている。無線通信機能([[無線LAN]])も備えている。他の電子機器との連携も視野に入れた設計となっている。カメラ、[[グローバル・ポジショニング・システム|GPS]]機能なども外部アクセサリーとして登場予定となっている。
**同ゲーム機に[[Webブラウザ]]機能を追加するファームウェアが[[2005年]][[7月27日]]に公開された。無線LANによりアクセスできる。[http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/10490.html][http://bb.watch.impress.co.jp/cda/special/10501.html]

==関連項目==
*[[コンピューターゲーム]]
*[[ゲームのタイトル一覧]]
*[[次世代携帯ゲーム機競争]]

[[Category:ゲーム機|*けいたいかたけえむ]]

[[de:Handheld-Konsole]]
[[en:Handheld_game_console]]
[[nl:Draagbare_spelcomputer]]

2024年7月29日 (月) 00:26時点における最新版

任天堂の初代ゲームボーイ1989年

携帯型ゲーム(けいたいがたゲーム)は携帯可能なサイズに小型化された家庭用ゲーム機である携帯ゲーム機[1]: Handheld Game Console)において動作するゲームソフトや市場全般を指す分類[1]携帯用ゲーム[2]とも呼ばれる。また携帯ゲーム機は携帯型ゲーム機および携帯用ゲーム機[1]とも呼ばれる。

スマートデバイスなどの携帯機器は含まれないことが多く、ソフト内蔵型のいわゆる電子ゲームは「含む」「含まない」に分かれる場合もある。

歴史

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1976年アメリカにおいてマテルが世界初の携帯型電子ゲーム機「Mattel Auto Race」を発売した。同社が翌1977年に発売した『Mattel Football』はヒット商品となり、各社から様々な製品が登場した。その一部は日本にも輸入された他、日本国産のものも各種登場した。1980年に発売された任天堂の「ゲーム&ウオッチ」シリーズは日本国内1,300万台と大ヒット商品となった[3]

当時は電子ゲームと呼ばれる携帯型ゲームが主流だった。これはゲームソフト自体が本体の内蔵部品に書き込まれており、別のゲームソフトが必要になったときには本体も含めて新しいものを購入しなければならなかった。表示装置も登場人物などの形状の点滅箇所があらかじめ決められている程度の今から見ればごく簡易的なものだった。1979年カートリッジ交換式であり、メディア交換型の携帯型ゲーム機としては世界初である「Microvision」がMilton Bradley Company社から発売される。日本においては1985年に登場した「ゲームポケコン」が初のカートリッジ交換式ゲーム機である。

1989年に任天堂が発売した「ゲームボーイ」は安価な本体価格と熱中度の高い『テトリス』の効果で売り切れが続出するほど爆発的にヒットした[3]。そこそこの性能で安価・軽量であり、乱暴に扱われがちな携帯機器(児童向け玩具)にあって足元に落下させた程度では簡単には破損しない丈夫さや電池切れを余り気にせず利用できた[4]。1990年代半ばに入ると売上が頭打ちとなり、一時市場から姿を消す寸前までになるが『ポケットモンスター 赤・緑』を発売後、小学生を中心に広がり売上ランキングで1年以上に渡り上位にランクインし続ける大ヒットとなる。それをきっかけに市場は活気を取り戻し『マリオのピクロス』などがスマッシュヒットした。スーパーゲームボーイスーパーファミコンを利用してゲームボーイのゲーム画面をテレビに表示させる形式を取ることで、当時のカラー液晶画面が抱えていた欠点の改善を図ったものである。また、据え置き型ゲームとのデータ連動を実現させる64GBパック携帯電話と接続したネットワークサービスを受けられるモバイルアダプタGBなど従来にはなかった遊び方も示されるようになった。

ソフトウェア内蔵型の電子ゲームについては、いわゆる「ミニテトリス」といったキーホルダー大の商品や、1996年バンダイの『たまごっち』が10代の女性を中心に大ヒットし社会現象にまで発展した。その後もハドソンの『てくてくエンジェル』、任天堂の『ポケットピカチュウ』を初めとする歩数計と一体化した機種などが発売された。

しかし2010年代にはスマートフォンの普及により携帯ゲーム機市場は衰退に向かった。また米国のように、もともと据え置き機やPCゲームが人気の市場もある[5][6]。その一方でSteam Deckのような携帯型ゲーミングPCや「携帯可能な据え置き機」として作られたNintendo Switchなどの新しい動きも出ている。

年表

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特徴と傾向

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ゲーム機を考察する上でテレビを使用した据え置き型のテレビゲーム機とは対比される。携帯用途のため本体が小型で持ち運びしやすい。自宅だけでなく外出先でも容易に利用できる。コントローラが本体に一体化している。表示装置が内蔵されている。もっぱら液晶ディスプレイが用いられる。PSPのうち、PSP-2000/PSP-3000型およびPSP goはテレビに接続し、映像を出力させることもできる。PSPではUMDを採用しているが、ゲームソフトのメディアはROMカートリッジを用いるものが多い。ソフトがハードに内蔵されて取り替えられなかったりデータ転送で外部から読み込むなど、本体がメディアを兼ねるものもある。PSPのメモリースティック PRO Duoニンテンドー3DSSDメモリーカードなど内蔵のメモリーカードにデータを書き込めるのもあり、メモリーカードリーダライタパソコンを接続することでセーブデータや写真などを取り込み、バックアップできるものもある。動画静止画音楽鑑賞ビデオ・オン・デマンド電子ブックリーダーインターネット閲覧(ウェブブラウザ)などデジタルメディアプレーヤー/ポータブルメディアプレーヤーの機能も持つようになった[7][8]

消費電力の少ない電子部品を使用している。そのため同時期のテレビゲーム機と比較すると性能は劣るが、その差は以前よりは縮まっている。電源は電池。初期の小型機ではボタン型電池または乾電池が主流であったが、性能の向上により消費電力が増大してきたため、2000年代以降は専用のバッテリーリチウムイオン二次電池)を用いるのが主流となった。PSP goPS Vitaは本体にバッテリーが内蔵され、ユーザーの手で交換することができない。

本体およびソフトが、同時期に発売されたテレビゲーム機と比較すると安価なものが多い。テレビゲームは家族と共同で所有しているケースも多いが、携帯型ゲームは本体・ソフトともたいてい一人で専有している。ちょっとした時間に遊ぶことが多いため、ゲームのルールや操作方法がすぐに理解できるゲームソフトが比較的多い。個人での本体やソフトウェアの専有意識があることから、通信機能を利用し、対戦やキャラクターの交換などにより、他者とのコミュニケーションをとることのできる機能を盛り込んだソフトも多い。

脚注

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関連項目

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