「ペレース」の版間の差分

コルキスからギリシアに帰ってきたイアーソーンはコリントスに住み、メーデイアとの間にペレースとメルメロスも生まれた。しかしコリントスの王クレオーンは娘のグラウケー（クレウーサとも^[6]）とイアーソーンを結婚させようとし、イアーソーンもこれを受け入れて、メーデイアと離婚した。このためメーデイアはグラウケーに毒の長衣（ペプロス）を贈ってクレオーンとともに焼き殺し、さらにペレースとメルメロスを殺した。あるいはメーデイアは逃げるときに子供たちをヘーラーの祭壇に残したので、コリントス人たちに殺されたともいわれる^[7]。

ヒュギーヌスによるとペレースとメルメロスはメーデイアに命じられて、魔法の冠を花嫁のクレウーサに持って行かせ、この冠によってクレウーサとクレオーン、イアーソーンは焼け死に、その後でペレースとメルメロスもメーデイアに殺されたと述べている^[6]。

パウサニアスによると、メーデイアは子供を不死にしようと考えてヘーラー神殿に隠したが、これがイアーソーンに知られたとき、イアーソーンはコリントスを去り、メーデイアもコリントスをシーシュポスに譲って去った^[8]。その後、成長したペレースとメルメロスは不当な罪でコリントスの人々に殺され、死後に亡霊となってコリントスの子供を殺したため、人々は神託に従って毎年2人に犠牲を捧げた。またこの日、子供たちは自分の髪を切り、黒衣に身を包んだという^[9]。なお、コリントスには2人の合葬墓があった^[10]

脚注

^ ^a ^b ^c アポロドーロス、1巻9・11。
^ アポロドーロス、1巻9・8。
^ ^a ^b アポロドーロス、1巻9・14。
^ ^a ^b アポロドーロス、3巻13・8。
^ アポロドーロス、1巻9・15。
^ ^a ^b ヒュギーヌス、25。ほか239。
^ アポロドーロス、1巻9・28。
^ パウサニアス、2巻3・11。
^ パウサニアス、2巻3・7。
^ パウサニアス、2巻3・6。

参考文献

アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫（1953年）
パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎（1991年）
ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫（2005年）
高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店（1960年）

[Ap_1_9_11-1] アポロドーロス、1巻9・11。

[2] アポロドーロス、1巻9・8。

[Ap_1_9_14-3] アポロドーロス、1巻9・14。

[Ap_3_13_8-4] アポロドーロス、3巻13・8。

[5] アポロドーロス、1巻9・15。

[Hy_25_239-6] ヒュギーヌス、25。ほか239。

[7] アポロドーロス、1巻9・28。

[8] パウサニアス、2巻3・11。

[9] パウサニアス、2巻3・7。

[10] パウサニアス、2巻3・6。

[1]

[2]

[3]

[4]

[5]

[6]

[7]

[8]

[9]

[10]

@@ 8行目: / 8行目: @@
 ペレースはテッサリアーの[[ペライ]]市の創建者である。子供のうちリュクールゴスは[[ネメアー]]の王となり<ref name=Ap_1_9_14 />、アドメートスはペライの王権を継承した<ref>アポロドーロス、1巻9・15。</ref>。エイドメネーはアミュターオーンと結婚し、[[メラムプース]]と[[ビアース]]の母となった<ref name=Ap_1_9_11 />。ペリオーピスは一説に[[パトロクロス]]の母であるといわれる<ref name=Ap_3_13_8 />。
+{{アイオロスの系図}}
 == イアーソーンの子 ==