「猫と庄造と二人のをんな」の版間の差分
表示
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集 |
153.170.0.245 (会話) による ID:64355640 の版を取り消し |
||
87行目: | 87行目: | ||
**出演:[[藤田まこと]]、[[いしだあゆみ]]、[[麻生祐未]]、[[荒木雅子]]、[[明日香まゆ美]](明日香まゆみ)、[[遠藤憲一]]、[[すまけい]]、[[山口美也子]]、[[渡辺いっけい]] |
**出演:[[藤田まこと]]、[[いしだあゆみ]]、[[麻生祐未]]、[[荒木雅子]]、[[明日香まゆ美]](明日香まゆみ)、[[遠藤憲一]]、[[すまけい]]、[[山口美也子]]、[[渡辺いっけい]] |
||
==備考== |
|||
*[[手塚治虫]]の作品「[[ブラック・ジャック]]」にて「'''猫と庄造と'''」というタイトルのエピソードがある。 |
|||
:*ある夜、ブラック・ジャックの元に「息子が鉛筆を飲み込んでしまった。診てくれたら5千万円でも6千万円でも払う」と電話がきた。ブラック・ジャックはイタズラだと思い、注意しに電話の主の家へ向かうと、ごく普通の家であり、大金を持っているようには見えなかった。家へ入ると汚い雌猫が出迎え、居間に引っ込むと男が「これはこれは先生!」と部屋に案内すると、子猫が小さな布団に寝かされており、男は「せがれです。当年14歳です。」と心配そうにブラック・ジャックに診るように勧める。ブラック・ジャックは「猫じゃないか!うちは犬猫病院じゃない!」と男を叱ると、男は「うちの息子が犬や猫だと言うのか!帰れ!」と逆上し、ブラック・ジャックを追い出す。男は雌猫と抱き合いながら「お前の子を猫だなんて…酷い侮辱だ」と泣き合う。呆気に取られたブラック・ジャックが男の知り合いを訪ねると、男の名は庄造と言い、土建会社の事故で崖崩れが起こり、家ごと潰され、妻子を亡くし、庄造も家具に頭を挟まれ、手術不可能な場所に脳血栓が出来てしまう。庄造は土建会社から多額の慰謝料と再び家を建ててもらうが、妻子を急に失ったショックと脳血栓の影響で精神がおかしくなり、毎日帰るはずかない妻子の帰りを待っていた。ある日、猫の親子が庄造の家に住み着き、それを見つけた庄造は妻子が帰ってきたと勘違いし、大喜びして猫の親子を迎え入れると以前のような生活を始めた。次第に猫たちも庄造の愛情を理解し、母猫の洋子は最近では荷車に庄造が書いたメモを貼り付けて買い物に行くほどになっていた。猫たちは当然「にゃー」としか鳴かないが、庄造だけは理解していた。猫を妻子と勘違いしている以外は普通であった庄造だが、次第に脳血栓が大きくなり、庄造は頭が割れるような激しい頭痛の発作が起きるようになる。ブラック・ジャックは土建会社から多額の手術費を受け取り、庄造の脳血栓を除去する。手術中、洋子はずっと手術室前を鳴きながらうろついていた。手術は成功したが、庄造には辛い現実が待っていた。正気になった庄造は事故で妻子を亡くした事実を知る。すると庄造の寝ているベッドに洋子が大喜びで飛び乗ると庄造は「なんですか?この小汚い猫は?」と、すっかり洋子たちとの奇妙ながら幸せな生活を忘れていた。庄造は、亡くした妻子との思い出の土地を離れて生活することをブラック・ジャックに告げる。洋子たちは庄造に「ついてくるな!」と言われながらもついていく。庄造がバスに乗ろうとすると、乗務員に「猫は一緒に乗れませんよ」と言われ、庄造は「…いや、歩いていこう」とバスに乗らず、振り向いて母猫に「おいで、洋子」と声をかけ、再び1人と3匹で歩き出した。 |
|||
== 脚注 == |
== 脚注 == |
||
{{脚注ヘルプ}} |
{{脚注ヘルプ}} |
2017年6月10日 (土) 04:39時点における版
猫と庄造と二人のをんな A Cat, A Man, and Two Women | ||
---|---|---|
著者 | 谷崎潤一郎 | |
イラスト | 装幀・挿絵:安井曾太郎 | |
発行日 | 1937年7月 | |
発行元 | 創元社 | |
ジャンル | 長編小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 上製本 | |
公式サイト | [1] | |
コード | NCID BN15897143 | |
ウィキポータル 文学 | ||
|
『猫と庄造と二人のをんな』(ねことしょうぞうとふたりのおんな)は、谷崎潤一郎の長編小説。猫のリリーを中心に、2人の女と1人男の三角関係を描いた物語。
1936年(昭和11年)、雑誌『改造』1月号と7月号に掲載された[1][2]。単行本は1937年(昭和12年)7月に創元社より刊行された[3]
あらすじ
庄造の前妻・品子は現在の妻・福子に対し、雌猫のリリーを譲って欲しいという手紙を出した。福子は夫の庄造に「譲ってあげなさい」と言うが、彼にはそういう意志は無い。福子は自分以上にリリーが夫に大事にされている状況に耐えられなかったのだ。夫婦喧嘩の末に庄造は猫を品子に譲る事に同意する。
リリーは以前にも他人に譲られた事があったが、その時も自らの意志でリリーは庄造のもとに戻って来たので、彼は今回もそうなるだろうと期待したのだ。リリーが品子の所に移って、庄造は雌猫を思い出しては懐かしんだ。リリーは品子になつかず、彼女の思った通りに動いてくれない。猫の面倒を診る事がこんなに大変だとは彼女にしてみれば予想外だった。結局3人とも生活を雌猫によって振り回されていたのだった。
登場人物
- リリー
- 庄造が溺愛している雌猫。
- 庄造
- 荒物屋。仕事に対するやる気が無い。
- 福子
- 庄造の妻。2人は従兄弟同士に当たる。夫を雌猫のリリーに奪われているという理由でリリーに嫉妬している。
- 品子
- 庄造の前妻。姑のおりんによって追い出された。
- おりん
- 庄造の母親。彼を自分の意のままに操っている。品子とは仲が悪かった。
映画化
1956年公開。製作は東京映画、配給は東宝。キネマ旬報ベストテン第4位。
かつて会員制ビデオ販売機構キネマ倶楽部から「日本映画傑作全集」としてVHSが発売されていた。
- スタッフ
- キャスト
- 庄造:森繁久彌
- 福子:香川京子
- 晶子:山田五十鈴
- おりん:浪花千栄子
- 煙草屋の女将:萬代峰子
- 城川夫人:三好栄子
- 初子:南悠子
- 木下:芦乃家雁玉
- 萩村:田中春男
- 添山:山茶花究
- 国粋堂:横山エンタツ
- 多美子:環三千代
- 魚屋鯵のとれとれ:谷晃
テレビドラマ化
ドラマ |
脚注
- ^ 「古典回帰の時代」(アルバム谷崎 1985, pp. 65–77)
- ^ 「谷崎潤一郎年譜」(夢ムック 2015, pp. 262–271)
- ^ 「主要著作目録」(アルバム谷崎 1985, p. 111)
参考文献
- 谷崎潤一郎『猫と庄造と二人のおんな』(改)新潮文庫、2012年6月。ISBN 978-4-10-100505-8。 初版1951年8月
- 笠原伸夫 編『新潮日本文学アルバム7 谷崎潤一郎』新潮社、1985年1月。ISBN 978-4-10-620607-8。
- 『文藝別冊 谷崎潤一郎――没後五十年、文学の奇蹟』河出書房新社〈KAWADE夢ムック〉、2015年2月。ISBN 978-4309978550。
外部リンク
- 御所坊 「猫と庄造と二人のをんな」に登場する有馬温泉の旅館