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'''100年電球'''(100ねんでんきゅう、Centennial Light Bulb)とは、1901年から点灯しており、2018年の時点で最も寿命が長いとされる[[電球]]のことである。[[カリフォルニア州]][[リバモア (カリフォルニア州)|リバモア]]のイーストアベニュー4550番地にあり、リバモア-プレザントン消防局が維持管理を行っている<ref name="npr">{{cite news|title=Century Light Bulb|date=2001-06-10|url=https://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=1124201|accessdate=2007-01-15|publisher=[[National Public Radio]]}}</ref>。この電球は[[ギネス世界記録|ギネスブック]]にも登録されたほか<ref>{{citation|title=Longest burning light bulb|url=http://www.guinnessworldrecords.com/world-records/4000/longest-burning-light-bulb|publisher=Guinness World Records}}.</ref>、{{仮リンク|リプリーズ・ビリーブ・イット・オア・ノット|en|Ripley's Believe It or Not!}}や[[ゼネラル・エレクトリック]]もその記録的な寿命の長さを認めている<ref name="VIA">{{citation|title=The Little Bulb That Could… and Does|url=http://www.viamagazine.com/top_stories/articles/lightbulb02.asp|journal=VIA|format=article|accessdate=January 27, 2007}}.</ref>。


== 歴史 ==
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消防署長によると数か月おきにこの電球に関するニュース記事が出ており、そのときは訪問者も増えて世間の関心も高まるが、しばらくするとまた忘れられてしまうという。
消防署長によると数か月おきにこの電球に関するニュース記事が出ており、そのときは訪問者も増えて世間の関心も高まるが、しばらくするとまた忘れられてしまうという。

== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
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* [[ポイボス・カルテル]]
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==

* [http://www.centennialbulb.org/ Official website for the bulb]
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* [http://www.centennialbulb.org/cam.htm Webcam of bulb] at [http://www.centennialbulb.org/ the official website]
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2018年11月12日 (月) 03:41時点における版

100年電球
リバモアの100年電球
種類 カーボン・フィラメント
動作原理 白熱球
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100年電球(100ねんでんきゅう、Centennial Light Bulb)とは、1901年から点灯しており、2018年の時点で最も寿命が長いとされる電球のことである。カリフォルニア州リバモアのイーストアベニュー4550番地にあり、リバモア-プレザントン消防局が維持管理を行っている[1]。この電球はギネスブックにも登録されたほか[2]リプリーズ・ビリーブ・イット・オア・ノットゼネラル・エレクトリックもその記録的な寿命の長さを認めている[3]

歴史

100年電球はもともと30ワットか60ワットの電球だったが、いまは非常に暗く、4ワットの常夜灯程度の明るさしかもっていない[4][5][6]。手吹きのガラスに炭素のフィラメントというごく一般的なつくりのこの電球は、1890年代の後半にオハイオ州シェルビーのシェルビー・エレクトリック・カンパニーによって製造されたものである[5]。これとほぼ同じ製品は、まだ大量に存在しており、点灯しているものも見つかるはずである[7]。ジルファ・バーナル・ベックによれば、この電球は彼女の父のデニス・バーナルが1901年に消防局に贈ったものだという[5]。バーナルはリバモア・パワー&ウォーター・カンパニーという会社を経営しており、その経営権を売却したときに消防署へこの電球を寄付していた。この逸話は、当時の消防ボランティアの証言からも裏付けられている[8]

調べたところ、この電球は少なくとも4か所で吊るされていることがわかった。最初に設置されたのがLストリートの馬車小屋で[8]、その後にリバモアのダウンタウンにある消防・警察が使用するガレージに付け替えられた[9]。消防局が統合整備されると、その合同庁舎として新たに建てられた市役所にまた移設された。

この電球の寿命が非常に長いことに気づき、1972年に初めて言及したのが、新聞記者のマイク・ダンスタンであった。ダンスタンは、リバモア生まれでここにずっと住んでいる人に数週間かけて取材を行い、トリ-バレー・ヘラルド紙に「世界最古の可能性を持つ電球」という記事を書いた。ダンスタンはギネスブックやリプリーズ・ビリーブ・オア・ノット、ゼネラル・エレクトリックにもあたったが、一様に知られる限りでは最も長く点灯している電球だということが確認できた。この記事はCBSのテレビ番組「オン・ザ・ロード・ウィズ・チャールズ・クラルト」のなかでチャールズ・クラルトが取り上げている。

100年電球を使ったペンダントライト(リバモアの第6消防署)

1976年、消防局と電球はともに第6消防署へと移転した。ソケットについたコードは、電球を傷つけないように、電球をまわして外さず切断された。移転作業のあいだには22分間だけ電気の供給が途絶えた。特別につくられた箱に入れられ、消防車が最初から最後まで護送して移設が行われた。電球は、電気工事士の手によって新しい消防署の予備発電設備の機械室に設置された。リプリーズ・ビリーブ・オア・ノットによれば、多少作業が遅れても、それまで継続されてきた電球の点灯記録が台無しになることは考えにくいことではあった。この移転後から、100年電球のために無停電電源装置が用意され、継続的に点灯した状態が維持されている。停電はこれまでにも短い期間ではあるが発生していた(1937年には改装のため一週間電気が使えなかったほか、不規則的な停電もあった)[5]。2001年には、この電球の製造100年祭が祝われ、地元ではバーベキューと音楽のイベントが催された[5]

2013年5月20日の午後、電球を映しているウェブカメラを通じて、電球が切れているとおぼしき状態が世界中に中継された。翌朝には電気工事士が状況確認のために呼ばれたが、延長コードをつかって電源をバイパスしてとれば点灯したことから、電球が切れたわけではないことがわかった。電力の供給に関する不具合があったのである。明かりが復旧するまでに、およそ7時間ほどかかった[10]。再点灯から数時間は本来の輝きにきわめて近い明るさをみせたが、その後はまた鈍い光に戻っている[5]

この電球のために100年電球委員会が発足し、管理が行われることになった。委員会は、リバモア-プレザントン消防局とリバモア観光協会、ローレンス・リバモア国立研究所、サンディア国立研究所の協力のもと運営される。リバモア-プレザントン消防局は、この電球が残りの寿命を使いきるまでに、施設をつくってそこで最期まで管理をおこなう計画を立てた。しかしそれが立ち消えになると、ほかにアイデアもなかったことから、リプリーズ・ビリーブ・オア・ノットが自前の博物館にスペースを提供するという提案をしている[5]。なぜこの電球がここまで寿命が長いのかという疑問については、消費電力が少ない、ほぼ常に点灯している、電力が途切れないよう献身的に管理されている、などがその答えとして考えられる[11]

知名度

この電球は1972年のギネスブックに「最も長持ちするあかり」として登録された(それまではテキサス州フォートワースにある電球が最長とされていた)。その後16年間はギネスブックから漏れたことはなかったが、1988年から2006年版には掲載されていない。その後理由も明らかにされないまま2007年には記録が復活している[12]

2010年の仏西合作のドキュメンタリー「電球の陰謀」では、計画的陳腐化を扱うなかでこの100年電球に詳しく触れている[13]

この電球については世界中の新聞や雑誌で記事が書かれ、さまざまなテレビ番組でもとりあげられている[14]

消防署長によると数か月おきにこの電球に関するニュース記事が出ており、そのときは訪問者も増えて世間の関心も高まるが、しばらくするとまた忘れられてしまうという。

脚注

  1. ^ “Century Light Bulb”. National Public Radio. (2001年6月10日). https://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=1124201 2007年1月15日閲覧。 
  2. ^ Longest burning light bulb, Guinness World Records, http://www.guinnessworldrecords.com/world-records/4000/longest-burning-light-bulb .
  3. ^ “The Little Bulb That Could… and Does” (article), VIA, http://www.viamagazine.com/top_stories/articles/lightbulb02.asp January 27, 2007閲覧。 .
  4. ^ Benca, Jeanine (February 6, 2011), “Tests shine light on the secret of the Livermore light bulb”, Contra Costa Times, http://www.mercurynews.com/ci_17287091?source=most_emailed&nclick_check=1 .
  5. ^ a b c d e f g Facts”. Livermore: Centennial Light. 2007年1月20日閲覧。
  6. ^ “Centennial bulb”, USA Today, (2003-04-02), https://www.usatoday.com/tech/webguide/hotsites/2003/2003-04-02-hotsites.htm January 27, 2007閲覧。 
  7. ^ Steve's Shelby Collection, Centennial Bulb, http://www.centennialbulb.org/shelby-steve.htm January 20, 2007閲覧。 .
  8. ^ a b Light Bulb May Be World's Oldest, Centennial Bulb, http://www.centennialbulb.org/newsppr3.htm October 14, 2009閲覧。 .
  9. ^ Livermore timeline, Public Broadcasting Service, https://www.pbs.org/independentlens/livermore/place.html .
  10. ^ World's Longest Burning Light Bulb Out... But Only Overnight”. Patch. May 21, 2013閲覧。
  11. ^ Light Bulb Methuselahs, Roadside America, http://www.roadsideamerica.com/set/lightbulbs.html .
  12. ^ Guinness page, Centennial Bulb, http://www.centennialbulb.org/guiness.htm .
  13. ^ Documentary by Cosima Dannoritzer, The Light Bulb Conspiracy, 2010. (Online)
  14. ^ Articles”. Livermore: Centennial Light. 2018年11月10日閲覧。

関連項目

外部リンク

座標: 北緯37度40分48秒 西経121度44分22秒 / 北緯37.68000度 西経121.73944度 / 37.68000; -121.73944