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大雨特別警報が出た１２都県では、台風１９号本体が上陸する前から活発な雨雲が断続的に生じ、広範囲で強い雨が降り続けた。各地で観測記録を塗り替えるような大雨になった。
大雨特別警報が出た１２都県では、台風１９号本体が上陸する前から活発な雨雲が断続的に生じ、広範囲で強い雨が降り続けた。各地で観測記録を塗り替えるような大雨になった。10月12日午後に会見した気象庁の梶原靖司予報課長は、台風19号の特徴について「台風の中心の北側に非常に発達した広い雨雲があり、記録的大雨となった」と説明した。台風接近、上陸に伴い、東や南東からの暖かく湿った風が関東の秩父、丹沢や静岡の伊豆半島、東北南部など山々にぶつかることで上昇気流が生じ、広い範囲で雨雲が次々と発生したという。<ref>{{Cite web|url=http://https://www.asahi.com/sp/articles/ASMBD61TPMBDULBJ00H.html|title=台風１９号、なぜ関東直撃？上陸までの「驚くべき経過」|publisher=朝日新聞|date=2019-10-12|accessdate=2019-10-12}}</ref>

10月12日午後に会見した気象庁の梶原靖司予報課長は、台風19号の特徴について「台風の中心の北側に非常に発達した広い雨雲があり、記録的大雨となった」と説明した。台風接近、上陸に伴い、東や南東からの暖かく湿った風が関東の秩父、丹沢や静岡の伊豆半島、東北南部など山々にぶつかることで上昇気流が生じ、広い範囲で雨雲が次々と発生したという。<ref>{{Cite web|url=http://https://www.asahi.com/sp/articles/ASMBD61TPMBDULBJ00H.html|title=台風１９号、なぜ関東直撃？上陸までの「驚くべき経過」|publisher=朝日新聞|date=2019-10-12|accessdate=2019-10-12}}</ref>


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2019年10月14日 (月) 02:57時点における版

台風第19号
（ハギビス、Hagibis）
カテゴリー5の タイフーン （SSHWS）
台風第19号
台風第19号
発生期間 2019年10月6日3:00
- 2019年10月14日12:00
寿命 8日3時間
最低気圧 915 hPa
最大風速
（日気象庁解析）		 55 m/s (105 kt)
最大風速
（米海軍解析）		 140 kt
平均速度 27.6 km/時
663 km/日
移動距離 4890 km
上陸地点 静岡県伊豆半島
死傷者数 死者31人 負傷者187人 行方不明者18人
被害地域 日本
プロジェクト : 気象と気候／災害
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台風の経路
風速・気圧・速度の推移

令和元年台風第19号（れいわがんねんたいふうだい19ごう、アジア名：ハギビス/Hagibis、命名:フィリピン、意味:すばやい）は、2019年10月6日3時にマリアナ諸島の東海上で発生した台風。台風15号の首都圏直撃から1か月後に、強い勢力を保ったまま首都圏を直撃し、東日本や東北地方の観測史上1位の気象記録を軒並み更新。千曲川などの主要な河川と周辺の支流が決壊・越水し、浸水被害が出るなど、甚大な被害をもたらした。

台風の動き

10月1日頃にマーシャル諸島近海で形成が始まった低圧部が、5日3時に熱帯低気圧に発達。合同台風警報センター（JTWC）は同日11時30分（UTC 2時30分）に熱帯低気圧形成警報（TCFA）を発し、18時（UTC 9時）に熱帯低気圧番号20Wを付番した。20Wは6日3時に南鳥島近海の北緯15度5分、東経158度10分で台風となり[1][2]、アジア名ハギビス（Hagibis）と命名された。

台風は平年よりも高い海水温の領域を通過しながら急速に発達し、7日18時には、同時刻までの24時間の気圧低下77 hPaを記録。発生から僅か39時間で中心気圧915 hPaとなり、猛烈な勢力（中心付近の最大風速が54m/s以上）に発達した[3][4]。勢力を維持したまま小笠原諸島に接近し、10日21時に非常に強い勢力（中心付近の最大風速が44m/s以上）へ[5]、12日18時に強い勢力（中心付近の最大風速が33m/s以上）になる[6]。同日19時前に強い勢力で静岡県伊豆半島に上陸した[7]。その後は関東地方と福島県を縦断し、13日12時に三陸沖東部の北緯41度、東経147度で温帯低気圧に変わった[8]。

なお、19号が猛烈な勢力を維持した期間は7日18時から10日21時までの75時間となり、第2位の平成30年台風第22号の84時間に次いで第3位を記録した[要出典]。

勢力の特徴としては、北上しても中心気圧が低く、勢力を保ったままであったことが挙げられる。日本のすぐ南の海水温が27度以上で平年より1～2度高く、エネルギー源となる水蒸気を多く取り込むことが可能であったことが要因とみられる[注釈 1]。また、強風域が本州の半分以上を覆うほどの大型で、勢力も強かったため、大雨に加えて暴風、さらに高潮といったあらゆる現象を伴ったのも特徴といえる。太平洋高気圧が例年より強く張り出しており、その縁を回るように北上した後、偏西風の影響で東に進路を変えたことが今回台風19号が関東地方を直撃した要因の一つに挙げられる[9]。

気象状況

気象庁から、千葉県を除く関東甲信越地方全域に特別警報が発表される未曾有の状況となった。10月12日より、関東甲信越地方を中心に記録的な大雨となり、12日15時30分、大雨特別警報が静岡県、神奈川県、東京都、埼玉県、群馬県、山梨県、長野県の7都県に発表された[10]。同日19時50分に茨城県、栃木県、新潟県、福島県、宮城県にも大雨特別警報が発表された[11]。また、13日0時40分に岩手県にも大雨特別警報が発表された[12]。半日で13都県に発表（うち12都県に同時発表）となり、平成30年7月豪雨の3日で11府県を超える、運用を開始して以来最多の特別警報の発表数となった。

大雨特別警報が出た１２都県では、台風１９号本体が上陸する前から活発な雨雲が断続的に生じ、広範囲で強い雨が降り続けた。各地で観測記録を塗り替えるような大雨になった。10月12日午後に会見した気象庁の梶原靖司予報課長は、台風19号の特徴について「台風の中心の北側に非常に発達した広い雨雲があり、記録的大雨となった」と説明した。台風接近、上陸に伴い、東や南東からの暖かく湿った風が関東の秩父、丹沢や静岡の伊豆半島、東北南部など山々にぶつかることで上昇気流が生じ、広い範囲で雨雲が次々と発生したという。[13]

また12日は、大潮にもあたるため、気象庁では大雨以外にも満潮時の高潮にも留意するよう伝えている[14]。

降水量
神奈川県箱根町では、降り始めからの降水量が1,000 mmを超え、10月12日の日降水量も全国歴代1位となる922.5 mmを観測した[15]。
最大瞬間風速
神奈川県横浜市では、午後8時32分に10月の記録で1位となる43.8 m/sを観測した[16]。
高潮
小田原市などでは過去最高を記録した。

被害・影響

台風の接近により品薄となっている店舗の食品棚。

人的被害

台風通過前には、千葉県市原市で10月12日午前8時頃に竜巻のような激しい突風が吹いたとみられ、横転した軽トラックの中から男性1名が意識不明で発見され、その後病院で死亡が確認された[17]。また同市を管轄する市原市消防局市津消防署の消防車両3台が竜巻のような突風の影響でフロントガラスが割れ出場不能になるなどの被害を受けた。静岡県御殿場市では川に2人が流され、1人は救助されたが1人は行方不明となっている[18]。

群馬県富岡市の内匠では、住宅の裏山が崩れ、2棟が全壊した。これにより男性1名が死亡し、住民2人と連絡が取れていないという[19][20]。同日午後7時ごろに長野県東御市で千曲川にかかる田中橋の近くの道路が陥没し、車3台が転落したが、乗っていた3人は救助され、残る3人は行方不明となっている[21]。

台風通過後には、福島県いわき市で救助のため消防ヘリコプターにけが人の70代女性を収容しようとしたところ、誤って約40メートルの高さから地上に落下する事故が発生した。女性は同市内の医療機関に搬送されたが、死亡が確認された[22][23]。ヘリコプター側のワイヤと救助機材を繋ぐ金具が掛けられておらず、収容時に隊員が確認を怠ったとみられる[24]。

内訳（10月13日午後6時現在）[25]
府県名 死者 行方
不明者 		負傷者
重傷 軽症 程度不明
岩手県 1 2 2
宮城県 1 4
山形県 1 1
福島県 2 6 2 9
茨城県 1 1 13
栃木県 4 1 15 1
群馬県 1 2 15
埼玉県 1 2 15
千葉県 1 1 19
東京都 1
神奈川県 2 2 1 26
新潟県 1 3
富山県 1
石川県 1
山梨県 1
長野県 1 4 4
静岡県 1 1 5
愛知県 1
三重県 2
滋賀県 3
京都府 1 3
大阪府 6
兵庫県 15
鳥取県 1
岡山県 1
山口県 2
徳島県 1
高知県 1
合計 14 11 24 161 2

河川・湖沼の水害

国土交通省によると、10月13日15時現在の河川被害の状況は以下のとおり[26][27][28][29]。

決壊、溢水・越水氾濫した河川一覧
決壊

NHKの報道によれば、10月13日20時56分現在、国管理・県管理併せて21河川24か所において決壊を確認した[30]。

水系名 河川名 市町村
国管理河川
鳴瀬川 吉田川 宮城県大郷町
荒川 都幾川 埼玉県東松山市
九十九川 埼玉県東松山市
越辺川 埼玉県坂戸市
久慈川 久慈川 茨城県常陸大宮市（2か所）
那珂川 那珂川 茨城県常陸大宮市（2か所）[31]
信濃川 千曲川 長野県長野市[32]
都道府県管理河川
宇多川 宇多川 福島県相馬市[33]
鳴瀬川 渋井川 宮城県大崎市
砂押川 砂押川 宮城県利府町
利根川 秋山川 栃木県佐野市
粟野川 栃木県鹿沼市
荒井川 栃木県鹿沼市
三杉川 栃木県栃木市
志戸川 埼玉県美里町
那珂川 荒川 栃木県那須烏山市
蛇尾川 栃木県大田原市
黒川 栃木県壬生町
中川 栃木県矢板市
内川 栃木県さくら市
百村川 栃木県大田原市
荒川 都幾川 埼玉県東松山市
新江川 埼玉県東松山市
溢水・越水氾濫
水系名 河川名 市町村
国管理河川
阿武隈川 阿武隈川 福島県本宮市・郡山市・須賀川市[34]・伊達市
鳴瀬川 吉田川 宮城県大崎市・松島町・大郷町・大和町[35]
竹林川 宮城県富谷市[36]
荒川 都幾川 埼玉県東松山市[37]・川越市
荒川 埼玉県さいたま市
多摩川 多摩川 東京都世田谷区[38]
那珂川 那珂川 栃木県那須烏山市、茨城県城里町
久慈川 里川 茨城県常陸太田市
利根川 鬼怒川 茨城県筑西市
信濃川 信濃川 新潟県小千谷市
菊川 牛淵川 静岡県菊川市[39]
都道府県管理河川
馬淵川 馬淵川 青森県南部町
新田川 新田川 福島県南相馬市[40]
阿武隈川 雉子尾川 宮城県丸森町
内川 宮城県丸森町
新川 宮城県村田町
北上川 南沢川 宮城県登米市
高木川 宮城県石巻市
内の原川 宮城県石巻市
日向川 宮城県石巻市
西沢川 宮城県石巻市
加茂川 宮城県石巻市
大沢川 大沢川 宮城県女川町
八幡川 八幡川 宮城県南三陸町
久慈川 久慈川 茨城県大子町[41]
大北川 大北川 茨城県北茨城市
利根川 石田川 群馬県太田市[42]
休泊川 群馬県大泉町
秋山川 栃木県佐野市[43]
田川 栃木県宇都宮市[44]
永野川 栃木県栃木市[45]
粟野川 栃木県鹿沼市
巴波川 栃木県栃木市
姿川 栃木県宇都宮市
思川 栃木県栃木市
小曽戸川 栃木県佐野市
武名瀬川 栃木県上三川町
尾名川 栃木県足利市
旗川 栃木県佐野市
彦馬川 栃木県佐野市
忍川 埼玉県行田市
元荒川 埼玉県鴻巣市
備前堀川 埼玉県久喜市
姫宮落川 埼玉県宮代町
那珂川 西田川 茨城県水戸市
荒川 栃木県那須烏山市[46]
江川 栃木県那須烏山市
湯坂川 栃木県大田原市
奈良川 栃木県那須町
荒川 江川 埼玉県桶川市・上尾市
不老川 埼玉県狭山市・入間市
新河岸川 埼玉県川越市
越辺川 埼玉県毛呂山町・越生町
大谷木川 埼玉県毛呂山町
毛呂川 埼玉県毛呂山町
葛川 埼玉県毛呂山町・坂戸市
市野川 埼玉県小川町
藤治川 埼玉県深谷市
柳瀬川 埼玉県所沢市
芝川 埼玉県さいたま市
槻川 埼玉県小川町
高麗川 埼玉県日高市・飯能市
入間川 埼玉県入間市・飯能市[47]
飯盛川 埼玉県坂戸市
都幾川 埼玉県東松山市
成木川 東京都青梅市
多摩川 南浅川 東京都八王子市
谷沢川 東京都世田谷区
浅川 東京都八王子市
秋川 東京都あきる野市
平瀬川 神奈川県川崎市
早川 早川 神奈川県箱根町
芦ノ湖 神奈川県箱根町[48]
酒匂川 山王川 神奈川県小田原市
富士川 大道川 山梨県身延町
鳴沢川 山梨県市川三郷町
島尻川 山梨県南部町
西川 山梨県南アルプス市
阿賀野川 阿賀野川 新潟県阿賀町[49]
信濃川 信濃川 新潟県津南町
片貝川 長野県佐久市
吉沢川 長野県佐久市
桑取川 桑取川 新潟県上越市
狩野川 戸沢川 静岡県伊豆の国市
洞川 静岡県伊豆の国市
堂川 静岡県伊豆の国市
韮山古川 静岡県伊豆の国市
宗光寺川 静岡県伊豆の国市
函南観音川 静岡県函南町
柿沢川 静岡県函南町
大平江川 静岡県沼津市
稲生沢川 稲生沢川 静岡県下田市
仁科川 仁科川 静岡県西伊豆町
菊川 富田川 静岡県菊川市
太田川 海老名川 静岡県掛川市
沖之川 静岡県袋井市

ダムの緊急放流

相模川水系城山ダムの水量が増えたため、神奈川県は10月12日17時から異常洪水時防災操作（緊急放流）を行うことを予告し、相模原市は流域の住民に避難指示を発令した[50]。しかし、増加が想定よりも低かったため、緊急放流の開始を遅らせることが発表された。21時に改めて、22時から緊急放流することを発表した[51]。その後、水量の増加により、予定を前倒しして21時30分より放流を行った。また、花園川水系水沼ダムでも12日20時50分より緊急放流を実施している[52]。両ダム共に緊急放流が実施されたのは稼動以来初であった。

このほか、利根川水系の下久保ダム、荒川水系の二瀬ダム[53]、鬼怒川流域の川治ダム、川俣ダムでも緊急放流を一時検討していた[54]。

塩原ダムや竜神ダム、高柴ダム、美和ダム、菅平ダム[55]などでも実施。西荒川ダムや中禅寺ダム、真野ダム、堀川ダムなどでも緊急放流の可能性がある。

八ッ場ダムは同10月1日に試験湛水が開始されたばかりで、国土交通省によれば最高水位に達するまで3ヶ月から4ヶ月程度かかるとみられていたが、11日未明から13日朝までに累計347ミリの雨が降り、山間部から流れ込んだ水で約54メートル上昇し、ほぼ2日で満水に至った[56]。

交通

改札を閉鎖した東海道新幹線

道路

東北自動車道や東名高速道路など13路線、15区間で、のり面の崩落などの被害を受けた[57][58]。

このうち圏央道や中央道では10月13日午後5時現在でも復旧の見通しが立っておらず、数日を要する見込みである[59]。このほか、国直轄国道22路線33区間でも被害を受けた[58]。

鉄道

関東甲信地方を発着する路線を中心に、広く計画運休を実施した[60][61][62][63][64]。

東日本旅客鉄道（JR東日本）は10月13日、以下の5箇所で特に甚大な施設被害を受け、運転再開まで時間を要することを明らかにしている[65]。

なお、水郡線では西金駅 - 上小川駅間の第二久慈川橋梁でも橋梁の傾きが、磐城浅川駅 - 里白石駅間の第二社川橋梁も流出したと報じられている[70]。

また、箱根登山鉄道でも土砂崩れによる橋脚流失や電柱倒壊、道路からの雨水流入による道床流出等のため箱根湯本駅 - 強羅駅間で長期間運転を見合わせることを明らかにしている[71]。

この他、13日13時現在、内閣府防災情報に公表された情報による被災路線は以下のとおり[58]。

福島交通では郡山支社が冠水被害を受けた[72]。

航空

成田空港では12日11時から13日5時の旅客機の着陸を制限したことから、空港に来てから欠航を知った旅客ら約1,500人が滞留する事態となった[73]。

羽田空港では12日から13日5時の間、旅客機の着陸を制限した。また一部エプロン・誘導路が冠水した[74]。羽田・成田から、新千歳・関西[75]・岡山[76]・福岡[77]・熊本[78]・長崎[79]・大分[80]・ホノルルなどの国内外の空港へ航空各社の航空機の避難が行われたため、各地の空港では駐機場を最大活用して駐機を実施した。新千歳空港では駐機場だけでは足りず、B滑走路を閉鎖して滑走路上に駐機を行った[81][82]。

イベントへの影響

産業への影響

政府等の対応

首相官邸

10月8日13時に情報連絡室を設置。以後関係閣僚会議を実施[64]。10月12日15時30分、情報連絡室を官邸対策室に改組した[98]。同時刻に安倍晋三首相より関係閣僚に指示を行った[98]。

13日、非常災害対策本部に改組した[99]。

内閣府

10月8日13時に情報連絡室を設置。関係都道府県に災害救助法関連情報などの通知を発出した[64]。

災害救助法は13日13時現在、1都12県の自治体に適用されている[58]。

気象庁

気象庁は10月9日に早期警戒を呼び掛ける第1報を発出[14]。以後連日、警戒を呼び掛けた。

10月11日に気象庁は臨時の記者会見を開いた。12～13日にかけて、広い範囲で記録的な大雨や暴風となる見込みであると発表した。「狩野川台風に匹敵する記録的な大雨となる」おそれもあり、「大雨特別警報を発表する可能性がある」と発表した[100][101]。

また、JETT（気象防災対応支援チーム）を31都府県に派遣[64]。

警察庁

10月8日13時に災害対策室長を長とする災害情報連絡室を設置した[64]。12日15時30分、警備局長を長とする災害警備本部へ改組[98]。城山ダム緊急放流に伴い、神奈川県警察機動隊を厚木市に派遣[102]。

13日、警察庁次長を長とする非常災害警備本部に改組[58]。12府県の警察本部に対し、広域緊急援助隊の派遣要請を行った[103][58]。

総務省消防庁

10月8日に消防庁災害対策室（第1次応急体制）を設置。8日以降「台風第19号についての警戒情報」などの警戒情報を都道府県・指定都市等に通達し、警戒を取るように事前通達が行われた[104]。

12日15時30分、消防庁長官を長とする消防庁災害対策本部（第3次応急体制）に移行した[104]。

10月13日2時10分、宮城県知事から消防庁長官に対し、緊急消防援助隊の応援要請があり、東北ブロック、関東ブロック各隊に出動を求めた[102]。各県庁、消防本部等へ消防庁職員を派遣中[102]。

防衛省・自衛隊

防衛省は10月11日に、災害関連情報専用のツイッターアカウントを開設。そのほか、河野太郎防衛大臣のアカウントおよび、各部隊のアカウントによる個別情報の提供を実施している。これによると、1万7千人態勢での即応体制を確立するとともに[105]、特別警報が発表された13都県の担当する部隊約27,000人を全員呼集[106]。13日現在、21都県（272自治体）および東京電力本社にLO（連絡幹部）を派遣した[106][58]。

また、13日16時、河野太郎防衛大臣より自衛隊行動命令が発出され、陸上総隊司令官を指揮官とする統合任務部隊（JTF）が編成された[107]。陸海空自衛隊より人員31,000人規模、艦艇8隻、航空機130機体制での活動を開始した[108]。また、警察、海上保安庁と共同し、航空機・ドローンを活用した情報収集を実施している[109]。

各都県知事より災害派遣要請が相次いだため、以下に災害派遣情報を一覧として掲載する。

令和元年台風第19号に伴う災害派遣一覧（2019年10月13日13時00分現在）[110][58]
要請日時 要請元 要請先 要請内容 撤収日時
10月12日 20時30分 宮城県知事 陸自 第2施設団長 人命救助
21時10分 栃木県知事 陸自 第12特科隊長 人命救助
21時20分 静岡県知事 陸自 第34普通科連隊長 人員輸送 活動終了（撤収要請日時不明）[111]
21時34分 長野県知事 陸自 第13普通科連隊長 人命救助、水防活動
21時41分 栃木県知事 陸自 第12特科隊長 人命救助、資材搬送
21時50分 東京都知事 陸自 第1師団長 避難誘導等
23時15分 福島県知事 陸自 第6特科連隊長 人命救助
10月13日 00時25分 茨城県知事 陸自 施設学校長 人命救助
00時44分 宮城県知事 陸自 第2施設団長 人命救助
02時00分 福島県知事 陸自 第44普通科連隊長 行方不明者捜索
02時10分 宮城県知事 陸自 第22即応機動連隊長 孤立者救助
02時20分 栃木県知事 陸自 第12特科隊長 人命救助
02時45分 岩手県知事 陸自 第9特科連隊長 行方不明者捜索
02時50分 茨城県知事 陸自 施設学校長 水防作業
03時00分 宮城県知事 陸自 第2施設団長 人命救助
04時05分 栃木県知事 陸自 第12特科隊長 人命救助
04時30分 福島県知事 陸自 第6特科連隊長 行方不明者捜索
05時34分 茨城県知事 空自 第7航空団司令 孤立者救助
06時00分 群馬県知事 陸自 第12旅団長 人命救助
備考：21都県・東京電力本社にLO派遣中

統合任務部隊（JTF）編成規模：人員3,1000人規模、艦艇8隻、航空機130機等体制[107]。

海上保安庁

10日に海上保安庁本庁に災害対策室を設置。12日15時30分に災害対策本部に移行。13日13時現在、巡視艇のべ622隻、航空機のべ81機、救助要員のべ119名、リエゾンのべ36名規模で対処中[58]。

総務省

10月8日13時に大臣官房総務課に情報連絡室を設置[64]。12日15時30分に官房長を長とする災害対策本部に改組[98]。被災地への応援職員の派遣に関する通知発出、移動式電源車の用意、衛星携帯電話の貸し出しを山梨県と千葉県君津市、長野県に実施した[58]。このほか、災害時用公衆無線LAN サービス「00000JAPAN」の開放を実施した[64]。

また、予備免許交付中のこまえエフエム（CFM）の設備を用いて、臨機の措置により臨時災害放送局を開設。（12日開設 - 13日閉局）[58]。

厚生労働省

1都7県でEMIS警戒モードに移行。13日6時現在、全国でDMAT49隊、DPAT2隊が活動中[102]。

国土交通省

10月11日に本省災害対策本部を設置[64]。10月10日よりTEC-FORCE（13日6時現在、延べ702人）、13日より省所有ヘリコプター（4機）、排水ポンプ車（100台）、ポンプ車（50台）の派遣を実施[102]。

その他の中央官庁

法務省・財務省・消費者庁・文部科学省・農林水産省・経済産業省・環境省も情報連絡室等を設置し、関連する災害関連情報発出、リエゾン派遣を実施[102]。

国内マスメディア

「2019年のテレビ (日本)」および「2019年のラジオ (日本)」も参照

海外の反応

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 例年は、10月になると、北西から乾いた空気が入り込んで台風の水蒸気を奪い、列島に近づけば雲の密度は下がる。
  2. ^ 災害を理由に臨時休園となるのは東日本大震災時以来8年ぶりで、天候不順を理由に臨時休園となるのは五九豪雪以来35年ぶりとなった。

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  120. ^ “【ラグビーW杯】試合中止のカナダが釜石で台風ボランティア活動　感動の嵐「この恩は忘れません！」” (2019年10月13日). 2019年10月13日閲覧。

関連項目

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