前田満
表示
前田 満(まえだ みつる、1930年1月12日 - )は、日本の哺乳類学者。
経歴
林業試験場(現森林総合研究所)北海道支場保護部野鼠研究室員[1]をへて、元農林水産省森林総合研究所関西支所保護部長[2]。1988年3月、「森林施業の変遷と保護技術:エゾヤチネズミによる被害と防除法を中心として」で北海道大学農学博士[3]。
1984年に、北大学図書刊行会(現北海道大学出版会)から出版された「北海道産野ネズミ類の研究 (太田嘉四夫編著)」の著者のひとり。執筆分担は次の通り。
- 第1章 北海道産ネズミ類の分類 (阿部永)
- 第2章 北海道産野ネズミ類の由来 (太田嘉四夫・小林恒明)
- 第3章 生活史 (藤巻裕蔵・桑畑勤)
- 第4章 行動 (太田嘉四夫・樋口輔三郎)
- 第5章 食物 (前田満・五十嵐文吉・水島俊一)
- 第6章 すみ場所と巣 (太田嘉四夫・阿部永)
- 第7章 天敵 (米田政明・中田圭亮)
- 第8章 個体群動態 (太田嘉四夫)
- 第9章 生態的分布 (太田嘉四夫)
森林の大敵野ネズミ類の全体像を体系的かつ網羅的に追究した労作。隣接学会を横断する多数の研究メンバーが、長期にわたり蓄積してきた成果を集積した。分類に始まり、分布から行動・天敵に至る全生態系を考察するとともに、発生予察法・防除法の紹介までの論を進めている[4]。
著書
- 太田嘉四夫 (1984), 北海道産ネズミ類の研究, 編著 北海道野ネズミグループ執筆, 北大図書刊行会, ISBN 978-4-8329-0707-2
論文
- 国立情報学研究所収録論文 国立情報学研究所
- 前田満 (1963), “北海道の森林における野ネズミ類の生態に関する研究 (II)エゾヤチネズミの出生と死亡” (pdf), 林業試験場研究報告 (160): 1-18
- 木下栄次郎・前田 満 (1961), 天然林伐採跡の造林地とその周辺における野ネズミの生態に関する研究.林試研報127: 61-98.
- 上田明一・樋口輔三郎・五十嵐文吉・前田 満・桑畑勤・太田嘉四夫・阿部永・藤巻裕蔵・藤倉仁郎・高安知彦 (1966), エゾヤチネズミ研究史.林試研報191:1-100
- 上田明一・桑畑勤・前田 満 (1959), 春季のエゾヤチネズミの発生状況とその問題点.北方林業11:215-218.
参考文献
- 夏目俊二; 杉山弘; 米康充 (1997), エゾヤチネズミの食害を受けたヤチダモおよびトドマツ若齢植栽木の癒傷と成長
脚注
- ^ 前田満 1963
- ^ 夏目俊二, 杉山弘 & 米康充 1997
- ^ 博士論文書誌データベース
- ^ 北海道大学出版会 1984
外部リンク
- 北海道大学出版会 (1984), 太田嘉四夫編著北海道産野ネズミ類の研究