ジャコモ・マイアベーア
ジャコモ・マイアベーア Giacomo Meyerbeer | |
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基本情報 | |
出生名 |
ヤーコプ・リープマン・ベーア Jacob Liebmann Beer |
生誕 |
1791年9月5日 プロイセン王国 ベルリン |
死没 |
1864年5月2日(72歳没) フランス帝国 パリ |
職業 | 作曲家 |
ジャコモ・マイアベーア(またはマイヤベーア、Giacomo Meyerbeer, 1791年9月5日 - 1864年5月2日)は、ユダヤ系ドイツ人の歌劇作曲家。本名はヤーコプ・リープマン・ベーア (Jacob Liebmann Beer) 。
生涯
裕福な銀行家のユーダ・ヘルツ・ベーア(Juda Herz Beer)とアマーリエ・ベーア旧名:マルカ・リープマン・マイアー・ヴルフ (Malka Liepmann Meyer Wulff)の息子として、ベルリン近郊のタースドルフに生まれる。リープマンが母方、マイアベーアが父方と母方の複合姓である。リープマン・マイアー・ヴルフは母親の父の名前で(ユダヤ教徒にはこの時代有名な家系以外姓というものは存在せず、またユダヤ教では母方を重視する)、この祖父の遺産相続の際に、マイアーをさらにベーアの前に付け加えてマイアベーアと名乗りだした。
兄弟には天文学者のヴィルヘルム・ベーアと劇作家のミヒャエル・ベーアがおり、マイアベーアはミヒャエルの詩による歌曲を残している。
カール・マリア・フォン・ウェーバーとともにフォーグラー神父に作曲を学び、さらにクレメンティやアントニオ・サリエリ、ツェルターなどの当時のベルリン音楽界の重鎮に師事する。ピアノ演奏家として名声を得たが、のちにイタリアへ赴き、1815年ヴェネツィアでジョアキーノ・ロッシーニの歌劇『タンクレーディ』を聴いて歌劇作曲家に転じた。
1824年に作曲した『エジプトの十字軍』のパリ公演で名声を博し、1826年からパリに定住し、『悪魔のロベール』(1831年)や『ユグノー教徒』(1836年)、『預言者』(1849年)などの歌劇を発表した。1842年からベルリン宮廷歌劇場の音楽監督に就任。1864年、パリで没した。
彼の楽風は、ロッシーニにより興行的に成功したイタリア歌劇の様式と、モーツァルトなどのドイツ歌劇の様式を折衷し、豪華絢爛なグランド・オペラの形式を確立、その後のフランス・オペラの発展やワーグナーにも影響を与えた。歌劇以外の作品としては、ベールマンのために作曲したクラリネット五重奏曲、歌曲、ピアノ小品などがある。
評価
同時代の作家であるスタンダールからは、「彼はベルリンの裕福な銀行家の息子だが、すすんでイタリアへやってきて、ただの楽長になった」としてロッシーニの亜流の扱いを受け、台本の愚劣さ、博識に裏付けられた非凡な和声的能力、そしてカンティレーナの選択のまずさを指摘されている。またシューマンが露骨に攻撃したことが後世に与えた影響は非常に大きく、その死後作品の評価は急速に低下した。
同じくパリで活躍したユダヤ系ドイツ人であるオッフェンバックと比べても、人気の継続性、再評価ともに乏しい点は否めない。邦訳されたシューマンの評論集には、彼の評が十字架のマーク一つだけというものがある。
しかし、マイアベーアは先進的な管弦楽法の扱いには長けており、その音響はワーグナーを明らかに刺激した。現在では、彼の成功を妬んだ同時代の作曲家による攻撃と、彼が歌劇で行った様々な独創的な試みは、別個に整理するべきであるという態度に変わりつつある。
主なオペラ
- 『イェフタの誓い』(Jephtas Gelübde )- 3幕のドイツ語のジングシュピール、1812年初演
- 『ホストとゲスト、または真剣に取られた冗談』(Wirt und Gast, oder Aus Scherz Ernst )- 2幕のドイツ語オペラ、1813年初演、1814年のウィーンでの上演に際して『アリメレク、または二人のカリフ』(Alimelek, oder Die beiden Kalifen ) に改編される。
- 『ロミルダとコンスタンツァ』(Romilda e Costanza )- 2幕のイタリア語オペラ、1817年初演
- 『レスブルゴのエンマ』(Emma di Resburgo )- 2幕のイタリア語オペラ、1819年初演
- 『アンジュのマルガリータ』(Margherita d'Anjou )- 2幕のイタリア語オペラ、1820年初演、1826年にフランス語による改訂版が上演されている。
- 『セミラーミデ』(Semiramide Riconosciuta )- 2幕のイタリア語オペラ、1819年初演
- 『グラナタの追放』(L'esule di Granata )- 2幕のイタリア語オペラ、1822年初演
- 『エジプトの十字軍』(Il Crociato in Egitto ) - 2幕のイタリア語オペラ、1824年初演
- 『悪魔のロベール』(Robert le Diable ) - 5幕のフランス語のグランド・オペラ、1831年初演
- 『ユグノー教徒』(Les Huguenots) - 5幕のフランス語のグランド・オペラ、1836年初演 「バスカヴィル家の犬」で、最後にホームズがワトスン博士を観劇に誘っている。
- 『シュレージエンでの野営』(Ein Feldlager in Schlesien ) - 3幕のジングシュピール、1844年初演
- 『預言者』(Le Prophète ) - 5幕のグランド・オペラ、1849年初演、「戴冠式行進曲」、バレエ曲『レ・パティヌール ~スケートをする人々~』"Les Patineurs"を含む。
- 『北極星』(L'étoile du nord ) - 3幕のフランス語のオペラ・コミック、1854年初演
- 『ディノーラ』(Dinorah ) - 3幕のフランス語のオペラ・コミック、1859年初演
- 『アフリカの女』(L'africaine ) - 5幕6場のフランス語のグランド・オペラ、1865年初演