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古墳人

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古墳人(こふんじん)とは古墳時代日本列島に居住していた人々の総称。弥生時代以後にユーラシア大陸東部から渡来して、古墳文化を担った。 在来の縄文人弥生人と混血し、現日本人を形成していった[1]。。本州の「現代日本人」におけるゲノムにおいては約7割近くを占める[1]

概略

長らく日本人の起源を縄文人弥生人の「二重構造」でみる説があったが、金沢大学鳥取大学、アイルランド・ダブリン大学などの教授、研究員からなる国際共同研究グループが考古遺跡から発掘された人骨からDNAを抽出し、最新のゲノム分析を行った結果、「縄文人」「弥生人」「古墳人」は異なるゲノムであり「三重構造[2]であることを証明した[3]

形質的特徴

古墳人の形質的特徴は弥生人同様あまり一定ではなく、地域によっても個体差があり、関東東北にみられる特徴は鼻が低く広く、彫りは浅くのっぺりとしており、眉間部の隆起はあまりないが、頬骨が発達しエラが張っている[要出典]

北部九州から山陰地方など日本海側にかけては、弥生人などにみられる高い顔、高い眼窩、細長い梨状孔などの特徴を持った古墳人骨も出土している[要出典]

顔や眼窩の高さがやや低い古墳人が、中南部九州や山陽地方にみられる[要出典]

身長が高く古墳時代は日本の歴史の中で現代を除き1番高身長である[4]

古墳人のルーツ

日本列島で古墳馬具などが現れるのは弥生時代以後の古墳時代であり、この頃にユーラシア大陸東部から日本列島に渡来したと思われる。

古墳時代の渡来人としては、日本書紀に記載された秦氏が知られている。秦氏一族は応神天皇14年(283年)に朝鮮半島の百済から百二十県の人を率い帰化したとされる。 秦氏一族は八幡神社稲荷神社などを創祀したことでも知られており、蚕や絹などによる織物、土木技術、砂鉄や銅等の採鉱及び精錬、薬草なども広めた[5]

分子人類学からみた古墳人のルーツ

父系のルーツ(Y染色体ハプログループ)

古墳人にみられるO3a2c(P164)Y染色体ハプログループは東アジア全体で見られるタイプで、特にユーラシア大陸東部で高頻度である。ハプログループO(M175)系統は東アジア南部が起源とされており、O3(M122)系統は黄河上流付近まで北上したグループと思われる[6]

古人骨ゲノムデータの主成分分析

成分分析では現代日本人と大陸集団との中間に位置し、縄文人弥生人よりも現代日本人との遺伝的親和性が高い[1]

脚注

  1. ^ a b c Niall Cooke, Valeria Mattiangeli, Lara Cassidy, Kenji Okazaki, Caroline Stokes, Shin Onbe, Satoshi Hatakeyama, Kenichi Machida, Kenji Kasai, Naoto Tomioka, Akihiko Matsumoto, Masafumi Ito, Yoshitaka Kojima, Daniel G. Bradley, Takashi Gakuhari, Shigeki Nakagome. (ナイル・クック,バレリア・マッティアンジェリ,ララ・キャシディ,岡崎健治,キ ャロライン・ストークス,遠部慎,畑山智史,町田賢一,河西健二,富岡直人,松本安 紀彦,伊藤雅文,小嶋芳孝,ダニエル・ブラッドレイ,覚張隆史,中込滋樹 (20210916). “パレオゲノミクスで完成た日本人のタイル構造.pdf” (PDF). 20211028閲覧。
  2. ^ 今後の研究によっては三重以上になることも示唆されている。
  3. ^ Niall P. Cooke1† , Valeria Mattiangeli2† , Lara M. Cassidy2 , Kenji Okazaki3 , Caroline A. Stokes2 , Shin Onbe4 , Satoshi Hatakeyama5 , Kenichi Machida6 , Kenji Kasai7 , Naoto Tomioka8 , Akihiko Matsumoto9 , Masafumi Ito10, Yoshitaka Kojima11, Daniel G. Bradley2
    • ,
    Takashi Gakuhari11*, Shigeki Nakagome1,11* (20210917). “Ancient genomics reveals tripartite origins of Japanese populations”. SCIENCE ADVANCES Vol 7, Issue 38.
     
  4. ^ 平本 嘉助 (1972年). “繩文時代から現代に至る関東地方人身長の時代的変化.pdf” (PDF). 20211028閲覧。
  5. ^ “(書評)坂本太郎著「「旧事本紀と天皇の諱」(神道学四三号)」”. Legal History Review 1966 (16): 170–170. (1967-03-30). doi:10.5955/jalha.1966.170. ISSN 0441-2508. https://doi.org/10.5955/jalha.1966.170. 
  6. ^
    Ancient genomics reveals tripartite origins ofJapanese populations 日本語訳