コンテンツにスキップ

民法第716条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法民法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)

条文

[編集]

(注文者の責任)

第716条  
注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない

解説

[編集]
請負契約における注文者と請負人との関係は、民法第715条の使用者と被用者との関係のような指揮命令関係にあるわけではないため、請負人の行為につき注文者が責任を負わないのが原則である。
「注文又は指図についてその注文者に過失があった」ことの立証責任は被害者側にある。

関連条文

[編集]

参考文献

[編集]
  • 加藤雅信『新民法大系5 事務管理・不当利得・不法行為(第2版)』(2005年、有斐閣)348頁

判例

[編集]
  • 損害賠償請求(最高裁判決  昭和43年12月24日)
    請負人が第三者に損害を与えた場合において注文者に注文または指図について過失があるとされた事例
    請負人の過失により建築中の建物が倒壊し、隣家の居住者に損害を与えた場合において、注文者が、土木出張所から建物の補強工作を完備するよう強く勧告を受けたにもかかわらず、請負人にその工作をさせることなく、所定の中間検査も受けないままで瓦葺作業に取りかからせたため、瓦の重みで右建物が倒壊するに至つた等判示の事情があるときは、右注文者に、注文または指図について過失があつたものというべきである。

参考文献

[編集]

前条:
民法第715条
(使用者等の責任)
民法
第3編 債権
第5章 不法行為
次条:
民法第717条
(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
このページ「民法第716条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。