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白い巨塔 (映画)

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白い巨塔 > 白い巨塔 (映画)
白い巨塔
監督 山本薩夫
脚本 橋本忍
原作 山崎豊子
製作 永田雅一
出演者 田宮二郎
音楽 池野成
撮影 宗川信夫
編集 中静達治
製作会社 大映東京撮影所
配給 大映
公開 日本の旗 1966年10月15日
上映時間 149分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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白い巨塔』(しろいきょとう)は、1966年(昭和41年)10月15日公開の日本映画大映製作・配給。監督は山本薩夫、主演は田宮二郎モノクロシネマスコープ、149分。

医学界の内幕を描いた山崎豊子同名小説の映画化作品。独立プロで活躍した社会派監督の山本が、娯楽性を持った政治社会派ドラマの第一人者であることを立証させた記念すべき作品[1]であり、山本並びに主演の田宮の代表作となった。田宮、小沢栄太郎加藤嘉1978年ドラマ版でも同じ役を演じた。

劇団俳優座の看板俳優だった仲代達矢が、製作時に山崎からオファーを受けたが、演劇活動とスケジュールが重なり出演を断った旨を後年明かしている[2]

2001年(平成13年)にはDVDデジタルリマスター版が発売された。第40回キネマ旬報ベスト・テン第1位。昭和41年度芸術祭賞

映画版の特徴

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田宮二郎

ストーリーについては、白い巨塔#あらすじを参照。

  • オープニングでは、実際の開腹手術の映像が使われ、鮮烈な印象を与える幕開けといえる。作中でも実物の食道を扱うリアルなシーンを数回使っている。
  • 財前の特集記事が出るシーンでは、小道具の雑誌に「白い巨塔」が実際に連載されていたサンデー毎日が使われている。また起訴後に自宅に取材に来る記者も同社である。
  • 財前の誤診による患者の死亡は財前の海外出張中ではなく、教授選のさなかに起きている。
  • 裁判では唐木・洛北大学名誉教授の代わりに、船尾・東都大教授(第1外科教授選で東貞蔵に菊川昇を推薦)を裁判所鑑定人として登場させた。
  • 映画化されたのは当時完結していた本編のみであるため、物語は裁判の第一審と里見の辞職で終わっている。

出演者

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浪速大学
浪速大学医学部第一外科助教授→浪速大学医学部第一外科教授
浪速大学医学部第一内科助教授
浪速大学医学部第一外科教授 →近畿労協病院院長
浪速大学医学部第一内科教授、浪速大学医学部長
浪速大学医学部病理学教授(浪速大学前医学部長)
浪速大学医学部第二外科教授
浪速大学医学部整形外科教授
浪速大学医学部産婦人科教授
浪速大学医学部皮膚科教授
浪速大学医学部小児科教授
浪速大学医学部耳鼻咽喉科教授
浪速大学医学部第一外科講師→浪速大学医学部第一外科助教授
浪速大学医学部第一外科医局長→浪速大学医学部第一外科講師
浪速大学医学部第一外科医局員→浪速大学医学部第一外科医局長
浪速大学医学部第一外科医局員(佐々木庸平担当医)
浪速大学医学部付属病院第一外科病棟婦長
浪速大学医学部事務長

財前五郎の愛人、バー「アラジン」のホステス
東貞蔵・東政子の娘
財前五郎の妻、財前又一の実娘
里見脩二の妻
  • 里見好彦:村井徹(ノンクレジット)
里見脩二・三知代の息子
財前五郎の実母
  • 黒川五郎:安瀬充(ノンクレジット)
財前五郎の少年期

財前五郎の義父、大阪市北区医師会副会長、財前産婦人科医院院長
岩田病院院長、大阪市北区医師会会長
鍋島外科病院院長、大阪市議会議員、浪速大学医学部同窓会幹部
東貞蔵の妻、くれない会前副幹事
東都大学医学部第二外科教授
金沢大学医学部外科教授

繊維業「佐々木商店」社長、胃癌患者
佐々木庸平の妻
第一審原告側弁護士、関口法律事務所所長
第一審被告側弁護士、河野法律事務所所長、大阪弁護士会会長

「扇家」の女将、財前又一の愛人
村井医院経営者

スタッフ

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受賞

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その他

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  • ロケーションでは、撮影場所を提供してくれる医療機関がなかなか見つからず、川崎市多摩区明治大学生田校舎が主に使われた[3]

脚注

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  1. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』、キネマ旬報社、2012年5月23日、p.234
  2. ^ 仲代達矢 「白い巨塔」出演オファー断っていた 演劇優先で「非常に残念」”. Daily. 2024年5月26日閲覧。
  3. ^ 明治大学百年史編纂委員会 『明治大学百年史』 第四巻 通史編Ⅱ、590頁

外部リンク

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