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鈴木博志

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
鈴木 博志
オリックス・バファローズ #66
2024年6月25日 京セラドーム大阪
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 静岡県小笠郡大東町(現:掛川市
生年月日 (1997-03-22) 1997年3月22日(27歳)
身長
体重
182 cm
95 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2017年 ドラフト1位
初出場 2018年4月1日
年俸 1250万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

鈴木 博志(すずき ひろし、1997年3月22日 - )は、静岡県小笠郡大東町(現:掛川市)出身のプロ野球選手投手)。右投右打。オリックス・バファローズ所属。

経歴

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プロ入り前

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大工業を営む父と、中国大連出身の母との間に生まれる[2][3]掛川市立大坂小学校[4]3年生直前の春休み[5]で大坂野球少年団の練習に参加し野球を始めた[2][6][7]。小学4年生まで守備位置は捕手だったが、小学5年生から投手へ転向した[5][6]掛川市立大浜中学校へ進学[4]、同校の軟式野球部ではカーブを主体に抑える変化球投手として登板を重ねた。今の鈴木の代名詞となる直球に自信が芽生えてきたのは2年生から3年生にかけてだった[6]。また、打撃も良くエース投手かつ4番打者を務めた[5]。中学3年生になり、軟式野球から硬式野球への移行をするにあたり菊川市のスポーツクラブ、アプロス菊川の野球教室へ通った[6]。進学に際し、甲子園出場の夢に近づける静岡県の甲子園常連校の常葉菊川高校(現常葉大菊川高校)を第一候補に挙げていたが、熱心な勧誘があったことで磐田東高等学校への進学を決めた[5]

高校入学後は、1年生の夏から背番号17の控え投手としてベンチ入りした。この1年生のとき、同級生の齋藤誠哉とともに社会人野球ヤマハ硬式野球部の練習に参加しており、監督を務める美甘将弘と知り合った。1年生秋から球速143 km/hを記録し、プロへ進むことを意識するようになる[8]。2年生夏、新チーム初の練習試合で打球を右上腕に受け、筋挫傷の診断を受けた[9][6]。その後投球を続けていくうちに2年生秋冬から肘を痛め、3年生5月には激痛にまで症状は進行した[8]。県内10以上の病院で診察を受けたが痛みの原因は分らなかった[10]。3年生夏のシーズンはほとんど投球らしい投球ができずストレートの球速は130 km/h台まで落ち、投球回は3イニングに終わった[6][8]。この第96回全国高等学校野球選手権大会では、チームは静岡大会の2回戦で桐陽高校の前に敗退している[11]。高校引退後、名古屋市内の病院での診断により疲労骨折をしていることが判明し[10]、3年生の10月に右ひじの内視鏡手術をした[2][12]。故障のためプロ野球志望届は提出しなかった。

ヤマハ入社後は、高校3年秋に手術した右肘のリハビリを行い、並行して食トレによる体力強化、高校時代は全くやっていなかった背筋や下半身を中心にウェイトトレーニングや体幹トレーニングにも努めた。また上半身と下半身がうまく連動しないフォームになっていたため、コーチの廣岡剛の助力を得ながらシャドーピッチングによりゼロからフォーム固めも行い[6][8]、体重は10kg、球速は11km/h向上した[13]。当初監督とコーチの方針により入社後一年間はリハビリと体づくりの期間とするはずだったが8月のオープン戦でリハビリ明け初登板したところ、その初球の直球で自己最速の148 km/hを記録した[14][8]。1年目の秋頃から登板機会を得て、2年目の社会人野球東海地区春季大会で公式戦初登板。その後は主にリリーフとして活躍。第42回社会人野球日本選手権大会では、2回戦のNTT西日本戦で先発し6回途中1失点で勝利投手となり[15]、初優勝に貢献した。しかし、同大会では左足立方骨の骨折を経験している[6]。3年目春も右前腕部の肉離れという故障があったものの[6]抑えに定着し活躍した。また、同年夏から先発も務め完投も経験している[6]第88回都市対抗野球大会では、新日鐵住金東海REXの補強選手として出場し、ベスト8入りに貢献した[7]第43回社会人野球日本選手権大会では、本選に出場するものの1回戦で敗退し、登板機会は無かった[16]。この年社会人日本代表にも選出され、第28回BFAアジア選手権大会に出場しリリーフとして優勝に貢献した[17]

2017年10月26日に行われたドラフト会議では、中日ドラゴンズから1位指名を受け[12]、契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1500万円で入団に合意した[18]。背番号は46

中日時代

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中日ドラゴンズ時代
2023年8月9日 横浜スタジアム

2018年は、オープン戦で6試合無失点と好投し[19][20]新人で唯一、開幕一軍を勝ち取り[21]セットアッパーに抜擢された[22]。4月1日の広島東洋カープとの開幕3戦目にプロ初登板。最高球速は155 km/hで、打者2人から三振を奪った[23]ナゴヤドーム初登板となった4月4日の読売ジャイアンツ戦では、三者三振を記録[24]。その後は、抑えを務めていた田島慎二の不調により守護神も務めた[25]。しかし連投による疲労から終盤は精彩を欠き、二軍降格も経験[26][25]。最終的には中継ぎとしてチーム最多の53試合に登板し[26]、防御率4.41、4勝6敗12ホールドという成績だった。オフの11月19日に700万円増の推定年俸2200万円で契約更改[26]

2019年からは、新監督・与田剛に抑えに抜擢された[27]。開幕から抑えで起用され14セーブを挙げたが、防御率4点台と安定感を欠いたことから守護神の座を剥奪され[28]、6月7日に登録抹消された[29]。7月に一軍再昇格するも、同月末に再度登録抹消された[30]。最終的に25試合登板で、0勝2敗14セーブ、防御率4.32を記録[30]。11月19日、現状維持となる推定年俸2200万円で契約を更改した[30]

2020年は、6試合の登板に留まり、防御率12.91を記録[31]。10月上旬に与田監督の勧めを受け、投球フォームをサイドスローへと変更した[32]。12月2日、550万円減となる推定年俸1650万円で契約を更改した[31]

2021年は、3月31日の巨人戦(バンテリンドーム ナゴヤ)で、プロ1年目以来となる1013日ぶりの勝利投手となった[33]。最終的に18試合に登板し、2勝0敗、防御率5.31を記録[34]。11月16日、150万減となる推定年俸1500万円で契約を更改した[34]

2022年は、5月28日の同年初登板となったオリックス戦(京セラドーム大阪)にてプロ初先発[35]。自身が降板後に同点に追いつかれたため勝ち投手にはなれなかったものの、5回無失点と好投した[35]。その後は二軍で調整を続け、9月28日に一軍再昇格すると同日の横浜DeNAベイスターズ戦(横浜スタジアム)で先発の柳裕也が危険球退場で降板した後2番手として登板。緊急登板でありながらも4回途中を1安打無失点に抑える好救援でチームを勝利に導き[36]、試合後に立浪和義監督から「鈴木にとっても、我々にとっても翌年へ光が見える投球だった」と称賛された[37]。11月15日、150万減となる推定年俸1350万円で契約を更改した[38]

2023年は、6月6日の埼玉西武ライオンズ戦(埼玉県営大宮公園野球場)にて5回2/3を無失点で投げ、プロ初先発勝利を挙げた[39]。最終的に9試合に登板し、1勝2敗、防御率4.07を記録[40]。11月18日、100万円減となる推定年俸1250万円で契約を更改した[40]

オリックス時代

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2023年12月8日、現役ドラフトオリックス・バファローズへ移籍することが発表された[41][42][43]。背番号は66

選手としての特徴

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ゆったりとした力みのないフォームから、力強いスピンの効いた最高球速157km/hのストレート[44][注 1]を武器とするパワーピッチャー。変化球は直球を狙う打者に有効なカットボール[22]スライダーフォークカーブを持つ[8]。2020年シーズン途中より、投球フォームをサイドスローへと変更した[45]

右握力85kg、左握力84kg[6]、背筋力250kg超、50m走は6.1秒を記録[46]

ヤマハ時代の監督である美甘将弘によれば、「まだ基礎体力の段階で、体幹は今でも弱い。どうしてあれだけの速いボールが投げられるのか不思議な部分がある。」「どこの球団も『あと1、2年は体づくりをして』という評価だと思います」と語っており[47]、鈴木の身体がまだ未完成であるとともに、伸びしろがあることを示唆している。法元英明は、フォームは巨人時代の木田優夫に似ている、直球はスピードだけではなく威力も十分であると称賛した[48]荻野忠寛は、鈴木のことを、このドラフトで指名された馬力型の投手の中でも一番のボールの強さであり、肩胛骨の使い方を直せば制球も良くなると評価した[49]

理想とする投球スタイルとして、「(自分は救援投手であるので)1イニングを3球で3者凡退で終えることが理想。初球を打ってくれることほど楽なことはない」[50][注 2]空振り三振を奪うことは特に意識していない。三振を狙うのは、2ストライクになったときからです」[50]と述べている。

2018年の春季キャンプでは、他球団のスコアラー陣に、元阪神タイガース安藤優也に雰囲気、投げ方が似ていると評価された[51]

人物

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趣味はゴルフ、バスケットボール、自転車[9]ルービックキューブ

目標としている選手は、ボストン・レッドソックスクローザーであるクレイグ・キンブレル[9]。中日入団時の背番号である46番は、キンブレルが着用している背番号であることから自ら希望したものである[52]。2019年にはキンブレルの投球前のルーティーンを真似をするようになったが[53]、守護神の座を剥奪された時期にやめている[28]

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2018 中日 53 0 0 0 0 4 6 4 12 .400 219 49.0 46 7 27 1 1 42 1 0 28 24 4.41 1.49
2019 25 0 0 0 0 0 2 14 1 .000 117 25.0 29 1 15 0 2 16 0 0 12 12 4.32 1.76
2020 6 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 44 7.2 14 2 6 0 0 4 0 0 12 11 12.91 2.61
2021 18 0 0 0 0 2 0 0 0 1.000 91 20.1 22 2 5 0 2 11 0 1 12 12 5.31 1.33
2022 3 2 0 0 0 0 1 0 1 .000 55 13.0 11 0 5 0 1 9 0 0 6 6 4.15 1.23
2023 9 3 0 0 0 1 2 0 1 .333 106 24.1 23 1 12 1 2 5 0 0 12 11 4.07 1.44
通算:6年 114 5 0 0 0 7 11 18 15 .389 632 139.1 145 13 70 2 8 87 1 1 82 76 4.91 1.54
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

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投手












2018 中日 53 3 3 0 0 1.000
2019 25 1 4 0 0 1.000
2020 6 1 3 0 0 1.000
2021 18 3 4 1 1 .875
2022 3 3 2 0 0 1.000
2023 9 4 1 0 0 1.000
通算 114 15 17 1 1 .964
  • 2023年度シーズン終了時

記録

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初記録
投手記録
打撃記録

背番号

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  • 46(2018年 - 2023年)
  • 66(2024年 - )

登場曲

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代表歴

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脚注

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注釈

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  1. ^ 2400回転/分。これはダルビッシュ有に匹敵する。
  2. ^ 鈴木と似た「理想の投球スタイル」を持つ投手としては、グレッグ・マダックス菅野智之が挙げられる(当該人物の記事を併せて参照)。

出典

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  1. ^ 中日 - 契約更改 - プロ野球. 日刊スポーツ. 2023年11月19日閲覧。
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  14. ^ 長森謙介「新時代の旗手:1位投手 鈴木博志 下」『中日スポーツ』2017年12月19日、第4版、第3面
  15. ^ 第42回 日本選手権 本大会 11月5日 京セラドーム大阪 第4試合 2回戦
  16. ^ 第43回 日本選手権 本大会 11月6日 京セラドーム大阪 第4試合 1回戦
  17. ^ 2017年ドラフト指名を受けた侍ジャパン戦士たち~社会人代表編~”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト (2017年10月31日). 2018年2月3日閲覧。
  18. ^ 1位・鈴木“ヒロシジャンプ”で盛り上げる 最高条件で仮契約:ドラニュース」『中日スポーツ』2017年11月20日。2018年2月3日閲覧。
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関連項目

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外部リンク

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